YouTube は常に、バックグラウンドも経験値も異なるクリエイターたちが既存の枠を超えたクリエイティブな表現を実現する場所であり続けてきました。新しい機能やテクノロジー、最新トレンドが登場するたびにそれらを取り入れて、予想外のコンテンツを作り出すクリエイターの手腕に、私たちはいつも驚かされます。本日、米国時間 2023 年 9 月 21 日、Made On YouTube でご紹介する一連のプロダクトと機能は、難しいことをシンプルに、不可能なことを実現可能にして、クリエイティブな表現をさらに押し広げるのに役立てられると幸いです。
クリエイティブな表現を叶える YouTube ショートの新ツール
2020 年(日本は 2021 年)に登場して以来、YouTube ショートは即興のアイデアやインスピレーションを共有できる場となっています。その独創性が人気となり、今や、毎月 20 億人を超えるログイン ユーザーによる YouTube ショート視聴回数は、1 日あたり 700 億回以上にのぼっています。このたび発表する新しいツールを使えば、誰でも今まで以上に簡単に、あらゆるアイデアをショート動画で実現できるようになります。
年内に試験運用を開始予定の「Dream Screen」は、アイデアを入力するだけで、AI が生成した動画や画像の背景をショート動画に追加できる新機能です。宇宙空間で撮影したり、魔法の森の中を歩いたり、ペットのパグの運転で学校まで送ってもらったり。Dream Screen を利用すると、クリエイターが想像する夢のような状況を、ショート動画で新たに作り出せるようになります。Dream Screen は、まず一部のクリエイターを対象に導入し、来年さらに提供範囲を拡大します。(英語のみで日本での導入時期は未定)
将来的には、誰でもアイデアを入力するだけで自分の動画を簡単にアレンジできる(たとえばコンテンツを編集したり、既存の YouTube 動画をリミックスしてまったく新しい動画に作り替えたりできる)機能に拡張する予定です。
動画制作の労力を軽減して、クリエイティブな作業に集中
動画の制作プロセスは複雑で、動画制作が慣れていない人は投稿を諦めてしまうこともあります。そこで、誰でも手軽に動画を作成してすぐに YouTube で公開できるようにするために、YouTube Create という新しいモバイルアプリをリリースします。現在、Android 向けベータ版として一部の地域(日本は対象外)で提供されている YouTube Create は、ショート動画や長尺動画の制作プロセスを簡素化し、クリエイターが創造性を発揮したいと思うことにエネルギーを集中させられるよう設計された、無料のアプリです。
正確な編集とカットなどができる動画編集ツール、自動字幕起こしやナレーション機能が用意されているほか、各種フィルタ、エフェクト、切り替え効果や、ビートマッチング対応のロイヤリティフリーの音楽も利用できます。複雑な編集ソフトウェアを使わずに新たな YouTube 動画を制作できる環境を、すべてモバイル デバイスからご利用いただけます。
この初期バージョンの YouTube Create を開発するにあたっては、クリエイターの皆様から実に多くの知見やフィードバックをお寄せいただきました。今後もクリエイター コミュニティからの協力をいただきながら、新しい機能を追加してまいります。
AI でインスピレーションを得て、新しい視聴者へ
動画制作には、制作の枠を超えた様々な要素があります。AI の技術を活用したより効率的なツールにより、クリエイターが新しいアイデアを思いつき、新しい視聴者にリーチすることを手助けすることができます。
AI を活用したインサイト:YouTube Studio は生成 AI を活用して、動画のアイデアを生み出し、アウトラインを作成することで、クリエイターのアイデア出しをサポートする機能を来年導入します。これらのインサイトは、各チャンネルごとにパーソナライズされ、視聴者がクリエイターのチャンネルおよび、YouTube で視聴しているコンテンツに基づいて提供されます。YouTube Studio では、クリエイター向けの AI 搭載ツールの初期バージョンを試験運用しており、調査対象者の 70% 以上が、動画のアイデア開発に役立っていると回答しています。
Aloud で自動吹き替え:クリエイターが視聴者を拡大する方法のひとつに、コンテンツを母国語以外の言語に吹き替えることがあります。しかし、すべてのクリエイターがコンテンツを吹き替えるリソースを持っているわけではありません。そこで私たちは、クリエイターがコンテンツを世界に公開できるように AI 搭載の吹き替えツール、「Aloud」を YouTube に導入します。(日本の導入時期は未定)
AI を活用するツールは人々の夢を現実に変える可能性を秘めており、YouTube での動画制作の未来は明るく開けています。次回の Made on YouTube ではどのような発表ができるのか、今から楽しみでなりません。
YouTube は「表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届ける」というミッションを掲げ、開かれた場であること( Openess )と コミュニティを守る責任( Responsibility )のバランスを保つことに注力しています。YouTube は、全てのクリエイターが安心して自分の声・メッセージを発信することができ、さらにそれを見た人が感想や意見を届けたりすることで、コミュニティを共に作り上げていくことができる場です。一方で、行き過ぎた発信や表現は、脅迫や、身体的特徴に基づいて侮辱したりするなど、憎悪や嫌がらせに発展する可能性があります。
人材、システム、プロダクトへの投資
YouTubeは、YouTube のコミュニティを安全に保つことを目的にコミュニティガイドラインを設けています。このガイドラインでは、YouTube で許可されること、禁止されることが定められており、動画、コメント、リンク、サムネイルなど、 YouTube 上のあらゆる種類のコンテンツに適用されます。YouTube では、ネット上での嫌がらせやいじめ、およびヘイトスピーチについては、ハラスメントやネットいじめに関するポリシーと、ヘイトスピーチに関するポリシーの下、厳しく取り締まっており、該当するコンテンツの迅速な削除に努めてきました。これらのポリシーは、クリエイターや、ハラスメントやネットいじめ対策の専門機関などとの意見交換を経て作成されています。違反コンテンツの検出については、問題となる可能性のあるコンテンツを AI が特定し、その後、人間のコンテンツ審査担当者が YouTube のポリシーに違反しているかどうかを確認しています。ポリシーに違反しているコンテンツは削除し、そのデータは、システムによる今後の自動検出率を高めるための AI のトレーニングに使用しています。YouTube では、自動システムによる検出の精度の向上により、ポリシーに違反するコンテンツが多く再生されない、または一切視聴されることのないよう努めています。2023 年第 1 四半期、YouTube全体で、一回も再生されずに削除されたのは 40.4% で、1−10 回の再生だったのは 31.9% でした。
この他にも YouTube では、不適切と思われるコンテンツを YouTube のユーザーにも報告していただけます。さらに、分野によってはより詳しい専門知識を持つ政府機関と非政府組織(NGO)に、「YouTube 優先報告者」として、YouTube のコミュニティガイドラインに違反するコンテンツを高い精度で YouTube にご報告いただいています。たとえば、日本の法務省人権擁護局は、ヘイトスピーチに関するポリシーや、ハラスメントやネットいじめに関するポリシーの領域で、「YouTube 優先報告者プログラム」に 2021 年から参加しています。
YouTubeでは上記の取り組みを実行するために必要な人材やシステムへの長期的な投資を行い、違反コンテンツを適宜削除しています。そして、その結果を毎四半期、YouTube 透明性レポートにまとめて公開しています。2023 年第 1 四半期、グローバルで、嫌がらせやネットいじめ、悪意のある表現、嫌がらせ行為を理由に削除された件数は、チャンネルが 8 万 7,000 件以上、動画が 67 万件以上、コメントが 7,900 万件以上でした。
また、YouTube は、YouTube で視聴されるすべての動画について、配慮をもったエンゲージメントを実現したいと考えています。その一環として、クリエイターと視聴者の双方にとって有益なコメント機能を提供できるよう、改善に取り組んできました。たとえば、クリエイターがチャンネルガイドラインを設定し、自分のチャンネルでの会話のトーンをより良く形成できるようにしたり、コメントに表示したくない単語やフレーズを、ブロックする単語リストに追加できます。
インターネット上の情報に対するリテラシーを高める
ネット上でのいじめや嫌がらせについて、これまでも YouTube では厳しく取り締まってきましたが、様々なアプローチでこの問題に向き合う必要があることは明確です。2023 年 6 月 28 日には、インターネット空間の安全を守ることは業界全体の責任であるとの認識から、クリエイターエコノミー協会が設立した誹謗中傷対策検討会に Google として参画し、業界横断でこの課題に取り組んでいます。
そして、YouTubeでは 2023 年 9 月より、ネット上での嫌がらせやいじめ防止を目的とした、「ちょっとまって:投稿前に、想像しよう」というテーマのキャンペーンを開始しました。若者層に人気の 8 組の多様なクリエイターに参画いただき、また総務省・国際大学GLOCOM・クリエイターエコノミー協会からの協力も受けながら、ネット上での嫌がらせやいじめの投稿・拡散を防ぐために「どういう発言・コメントがネット上での嫌がらせやいじめになりうるか」「そのような投稿や拡散を防ぐために一人一人ができることを考えるとは何か」について発信しています。各クリエイターの YouTube チャンネルで配信されているこれらの動画は、各クリエイターチャンネルでの配信開始から現在まで(9 月 19 日時点)に 356 万回以上視聴され、4,800 以上のコメントが寄せられています。そして本日より、これらの動画がより多くの方に届くよう、8 本のショート動画をまとめたものを広く展開していきます。
以下のクリエイターのチャンネルに動画が投稿されます。(五十音順)
遠坂めぐ【Shorts】オムライス兄さん Omurice Boy葛西美空のYouTubeチャンネル【現役体操選手】シダックス shidaks鈴木大二郎のだいチャンネルにじさんじ(出演:加賀美ハヤト、リゼ・ヘルエスタ)HikakinTVhololive ホロライブ - VTuber Group(出演:友人 A)
YouTubeは、クリエイター、ファンや視聴者が集まって、それぞれが好きなことや、興味があることを発信し合い、時には専門家の助言も借りながら、YouTube を含めた全員が一緒に作り上げていくコミュニティによる、コミュニティのための場です。ネット上での嫌がらせやいじめという主観的で複雑な問題を YouTube だけで解決することはできません。今後も、YouTube は人材、システム、プロダクトなどへの投資を続けていき、クリエイターと視聴者が、より安全に、楽しく YouTube をご利用いただけるよう取り組んでまいります。
YouTube では設立当初から、コミュニティガイドラインによって YouTube のコミュニティを有害なコンテンツから保護してきました。現在、大多数のクリエイターは誠意を持ってコンテンツを作成しており、YouTube のポリシーに違反することはありません。一方で、意図せずポリシーに違反してしまう場合もあります。YouTube はそのようなクリエイターへのサポートを強化するために、コミュニティガイドラインの違反警告を回避するのに役立つ、新しいツールの導入に継続的に取り組んできました。そしてこのたび、YouTube のコミュニティを保護するポリシーとシステムは維持しつつ、新たな一策を講じることになりました。YouTube は、この取り組みが、YouTube を主な活動場所として利用している多くのクリエイターの支援に繋がると考えています。
YouTube では、ポリシーについて学ぶ機会を作ることによって、意図せず YouTube のポリシーに違反するクリエイターの数を減らすことができると考えています。2019 年には、初回の違反行為に対して発行する 1 回限りの事前警告を導入し、クリエイターはさらなるペナルティ(違反警告)を受ける前に、何が問題だったのかを確認する機会を得られるようになりました。現在、事前警告を受けたクリエイターの 80% 以上が、ポリシー違反による更なる警告を受けることはありません。
しかし、YouTube では、プラットフォーム内外の変化に対応するためにコミュニティガイドラインを継続的に見直し、必要に応じて更新しているため、クリエイターからは、ポリシーの線引きについての理解を深めるために、より多くの情報が欲しいという声が寄せられています。また、意図した違反であるかどうかに関わらず、警告を受けると、機能制限により投稿スケジュールに支障をきたす可能性があるだけでなく、YouTube パートナー プログラムを通じてビジネスを構築しているクリエイターにとっては、収益にも影響が出る可能性があります。
米国時間 2023 年 8 月 29 日より、コミュニティガイドラインの事前警告を受けたクリエイターは、ポリシーに関するトレーニングコースを受講できるようになりました。このトレーニングコースによりクリエイターは、ポリシーに違反するコンテンツのアップロードを避けるための方法を学ぶことができます。コースを修了すると、90 日間同じポリシーに違反しない限り、事前警告は失効します。
YouTube は、この改定が、コミュニティガイドラインに準拠したコンテンツの制作に努める大多数のクリエイターを支援し、YouTube がすべての人にとって安全で責任あるプラットフォームであり続けるために役立つものだと考えています。
本改定の詳細
各トレーニングコースは、どのようなコンテンツが YouTube のポリシーに違反するのかをより明確に理解できるように作られています。たとえば、あるクリエイターが性の健全性について教育することを目的に動画を投稿したとします。しかし、YouTube のヌードと性的なコンテンツに関するポリシーにおいて、この動画が十分なコンテキスト(追加情報や視聴者への説明)を追加していなかった場合、コミュニティガイドラインに違反していると判断されることがあります。
これまでは、その違反が初めてのものだった場合、対象となる動画を削除したうえで、そのチャンネルに対して失効することのない事前警告を発行していました。今後も、違反コンテンツを YouTube から削除することに変わりはありませんが、トレーニングコースを受講したクリエイターは、ヌードと性的なコンテンツのポリシーに関する一連の論点について確認し、ポリシーで許容される範囲について理解を深めることができます。
コース修了後の流れは以下のとおりです。
90 日間同じポリシーに違反しなかった場合、チャンネルの事前警告は失効します。
90 日が経過する前に同じポリシーに違反した場合、違反動画が削除され、チャンネルに 1 回目の違反警告が発行されます。
90 日を過ぎた後に同じポリシーに違反した場合、違反動画が削除され、事前警告が再度発行されます。クリエイターには、新たにトレーニングコースを受講する選択肢が与えられます。
なお、これまでは、違反したポリシーに拘わらず、事前警告は 1 回限りチャンネルに発行されるものでしたが、今後は、違反した特定のポリシーごとに、個別の事前警告が発行されます。これにより、コンテンツがポリシー違反となった理由を学ぶ機会が増えると共に、クリエイターはポリシーに関する複数のトレーニングコースを同時に受講できるようになります。
変わらないコミュニティガイドラインの基準
今回、YouTube では、誠実なクリエイターがポリシーをより深く理解できるようにする方法を導入しますが、コミュニティガイドラインの基準を変更したり、3 回の違反警告(three strikes)のルールを緩和したりするわけではありません。YouTube は引き続き、ポリシーに違反するコンテンツを削除します。また、90 日以内に 3 回目の違反警告を受けたクリエイターは、YouTube を永久に利用できなくなります。
これに加えて、違反警告の発行やチャンネルの停止に関する YouTube のポリシーは引き続き有効です。度重なるポシリー違反があった場合、または悪質な不正行為が一度でも確認された場合は、アカウントが停止される可能性があります(これは、トレーニングコースの受講歴のあるクリエイターにも適用されます)。また、将来的には、違反を繰り返すユーザーに対して、トレーニングコースを受講できなくする可能性もあります。
クリエイターが YouTube のプラットフォームで違反警告のない状態を維持すること、YouTube のコミュニティ全体で健全な利用体験を維持し続けることを目指し、YouTube は今後も、クリエイターにポリシーをわかりやすくお伝えできるようよう努めてまいります。
YouTube は、今年で 10 回目の開催となる YouTube Fanfest Japan 2023(ユーチューブ ファンフェス)を 12 月 13 日(水)18 時 30 分より、幕張イベントホールにて開催します。本イベントは YouTube Fanfest 公式チャンネルにてライブ配信も行う予定です。今年 YouTube で話題になったクリエイターやアーティストが一同に集まり、2023 年のトレンドの振り返りやライブパフォーマンスなどのステージを展開します。
第一弾発表出演者は以下の通りです。(五十音順。敬称略)
コムドット / スカイピース / すしらーめん《りく》 / SEIKIN / HIKAKIN / 平成フラミンゴ
出演者は、YouTube Japan 公式 X (旧:Twitter)や本ブログなどで随時追加発表します。
本イベントは完全招待制で、観覧募集にご応募いただいた方の中から抽選で合計約 6,500 名様を無料でご招待します。募集は複数回に分けて行います。第一弾の観覧募集は 9 月末頃開始予定で、各出演クリエイターごとの専用応募受付ページを設けて募集します。詳細は、YouTube Fanfest 公式サイト、YouTube Japan 公式 X(旧 Twitter)アカウントや各出演クリエイターの SNS等で後日ご案内します。
YouTube Fanfest は、 YouTube で高い人気を誇るクリエイターやアーティストとそのファンが集う YouTube コミュニティの祭典です。2013 年より、アジアを中心に 11 ヵ国で開催し、2015 年以降はカナダ、ブラジルでも実施するなど、世界規模のイベントへと発展しています。
今年の YouTube Fanfest Japan のテーマは、「#好きをシェアしよう」。クリエイターやアーティスト、コンテンツへの「好き」を一緒にシェアし合い、気持ちを深めたり新たな「好き」を見つけにいきましょう!
開催概要
名称 : YouTube Fanfest Japan 2023
日時 : 2023 年 12 月 13 日(水) 18:30 開演(予定)、 16:30 開場(予定)
会場 : 幕張イベントホール(千葉市美浜区中瀬 2-1 )
YouTube Fanfest 公式 YouTube チャンネル : www.youtube.com/fanfest
出演(五十音順。敬称略):コムドット / スカイピース / すしらーめん《りく》 / SEIKIN / HIKAKIN / 平成フラミンゴ 他(後日追加発表あり)
チケット応募期間 : YouTube Fanfest 公式サイト、YouTube Japan 公式 X(旧 Twitter)アカウントおよび、各出演者の SNS にて申し込みページを随時ご案内予定。
第一次申し込み(各クリエイター専用受付) : 9 月末頃開始予定
第二次申し込み(一般受付) : 10 月中旬頃発表予定
第三次申し込み(一般受付):11 月初旬頃発表予定
参加費 : 無料
医療や健康に関しては、人々は、医療従事者の助言を信頼しています。しかし、基本的に医療従事者は、人々に有益な情報を伝えたり、指導したりする機会が医療機関の中でしかありませんでした。その一方で、患者による医療 / 健康にかかわる決断のほとんどが、それぞれの日常の中、つまり医療機関の外で行われています。
これこそが、YouTube ヘルスが、医師、看護師、メンタルヘルスの専門家、保健情報の提供者に、医療 / 健康に関する質の高い情報を届ける機会を、多くの人が日常的に訪れる場である YouTube に設けることに取り組む目的でした。
そして本日、2023 年 8 月 29 日より特定の医療専門家を対象に、それらの方々が YouTube で発信するコンテンツを、YouTube において信頼できる医療 / 健康情報源として表示される取り組みへの参加募集を日本で health.youtube にて開始しました。これは、日本で医療関連の教育機関や公衆衛生機関、病院、政府機関など向けに 2022 年に開始した YouTube ヘルスの取り組みが、個人の医療従事者に拡充されたものです。詳細はこちらをご確認ください。これにより、より幅広い医療従事者のチャンネルから質の高い情報をお届けできるようになります。
資格を持つ医療従事者による医療 / 健康情報パネル
医療 / 健康情報セクション
この取り組みは、信頼できる情報源の動画を区別して表示する「医療 / 健康に関する情報源を提供するパネル」と、これらの情報源からの動画を検索結果の中でもハイライトして紹介する「医療 /健康に関する情報セクション」などを主な特徴とし、ユーザーが、オンラインでたどり着く医療 / 健康情報に関して、どれが信頼できる情報かを簡単に判断できるようにするものです。
申請対象になるのは、特定の医療従事者としての免許 / 資格の証明を所持している方に限ります。また、医療 / 健康情報の発信において医学専門団体会議(CMSS)、全米医学アカデミー、世界保健機関が共同で定めたガイドラインに従っていること、YouTube チャンネルが良好な状態で維持されていることも条件となります。利用資格要件の詳細はこちらをご覧ください。 申請のあったすべてのチャンネルに対し、これらのガイドラインに基づく審査が行われます。また、提出された医療従事者の免許 / 資格に対しても、検証を行います。なお、今後、対象となる医療従事者をさらに拡充していく予定です。
今回の新たな取り組みは、医療情報の共有方法を変革している優れた医療 / 健康分野のクリエイターが作る YouTube 上のコンテンツを人々がより簡単に見つけ、繋がれるようにするための大きな一歩です。病気によって生じる身体や気持ちの辛さにドクタートッシュと向き合ったり、平松類先生から白内障の手術の前に知っておくべき情報を得たり、妊娠や出産に不安を抱えている時にちえこ先生の解説を聞くなど、YouTube には、人々が自分の健康についてより多くの情報を得たり、関心を持つよう手助けしているコミュニティがあります。
米国時間 2023 年 8 月 21 日、YouTube は史上初となる AI を音楽に活用するための基本的な考え方、 AI Music Principles(以下、音楽 AI の基本的な考え方)の制定と、ユニバーサル ミュージック グループのアーティスト、作詞・作曲家、プロデューサーが参加する YouTube Music AI インキュベーターの発足について発表しました。YouTube の音楽 AI の基本的な考え方は、大胆かつ責任ある改革に取り組みながら、音楽業界との協働関係を築いていくという YouTube のコミットメントに根ざしています。
YouTube CEO のニール モーハンは、今回制定された 音楽 AI の基本的な考え方(英語)を発表するとともに、このフレームワークがどのようにクリエイティブな表現を強化し、一方で YouTube での芸術性を保護するかについてのビジョンを紹介しました。 音楽 AI の基本的な考え方は以下の通りです:
AI の存在を無視することはできません。YouTube は音楽業界と協働し、AI を責任を持って活用していきます。生成 AI が、クリエイティビティの新しい扉を開く中、この急速に進歩する分野において、YouTube と音楽業界は、これまでの長期的な協働関係を継続し、責任を持ってAI を活用していきます。音楽業界と連携して、責任ある改革の追求と、クリエイティビティの強化を目指します。
AI がクリエイティビティの新時代への扉を開く一方で、適切な権利保護と、音楽業界への機会提供がなければなりません。YouTube は YouTube 上のクリエイティブコンテンツを保護する強固な実績を継続させていきます。著作権者の利益と YouTube のクリエイターコミュニティの利益とのバランスをとるために、長年にわたって非常に多くの投資を行っています。
YouTube は、業界をリードする信頼性と安全性に取り組む組織とコンテンツポリシーを構築してきましたが、AI の課題に対応するため、さらにそれらを拡張していきます。YouTube は、YouTube コミュニティを保護するためのポリシーや、Trust & Safety チームに長年投資してきましたが、これらは AI で生成されたコンテンツにも適用されています。生成 AI には、商標や著作権の悪用、誤情報やスパムといった現在既に存在している課題をさらに増やす可能性があります。しかし一方で、AI はそういった問題のあるコンテンツの識別に利用することもできます。YouTube は視聴者、クリエイター、アーティスト、作詞・作曲家のコミュニティを安全に保護するための AI を活用した技術、すなわち、Content ID、違反コンテンツを検知してポリシーを適用するシステムに引き続き投資し、今後この取り組みをさらに拡大していきます。
音楽 AI の基本的な考え方の策定に協力したユニバーサル ミュージック グループのルシアン グレンジ会長兼 CEO は、アーティスト主導の生成 AI へのアプローチについて、また AI 技術が発展し続ける中、YouTube と協力することで音楽業界の成功に向けてどのように態勢を整えるべきかについて YouTube ブログ(英語)の中で述べています。YouTube ブログからの抜粋は以下の通りです:
「業界としての課題とチャンスは、AI のポジティブな面を促進しながら、潜在的なマイナス面を制限できる効果的なツール、インセンティブや報酬、およびその他のルールをいかに確立できるかにかかっています。適切なバランスをとることができれば、AI には人間の想像力を増幅させ、考えもつかなかった方法で音楽のクリエイティビティを広げてくれる可能性があると信じています」
「人間の想像力に対する私たちの揺るぎない信念が、AI の未来に関するユニバーサル ミュージック グループと YouTube のコラボレーションの基盤となっています。私たちの共同ビジョンの中心となるのは、アーティストや作詞・作曲家が創作物における権利や意志を保持し、公正な報酬を得るために、安全かつ責任ある収益性の高い音楽と動画のエコシステムを構築していくことです」
「本日発表した私たちのパートナーシップは、AI は人間のクリエイティビティを強化するためのもので、その逆ではないという YouTube の音楽 AI の基本的な考え方を基盤とした上で、AI 活用について責任を持って先導するという共通認識のもとに築かれています。AI には、素晴らしい才能をもつアーティストが最高の仕事へと駆り立てられるときの本質的な輝き、つまり意思が常に欠落しているため、AI が人間の想像力に取って代わることはありません。モーツァルトからビートルズ、テイラー スウィフトに至るまで、天賦の才は偶然によるものではないのです」
今回、YouTube では、YouTube の AI Music インキュベーターについても発表しました。これは業界の最前線で活躍しているアーティストや作詞・作曲家、プロデューサーが、音楽における生成 AI へのYouTube の取り組みに対して、情報提供をするプログラムです。Anitta、Björn Ulvaeus、d4vd、Don Was、Juanes、Louis Bell、Max Richter、Rodney Jerkins、Rosanne Cash、Ryan Tedder、Yo Gotti、Estate of Frank Sinatra など、ユニバーサル ミュージック グループから様々なジャンルのクリエイターが参加しています。
Björn Ulvaeus のコメント:「私が今回参加を決めたことは議論を招くかもしれません。しかし、私は先入観なく、AI モデルがどう機能するのか、音楽を作る過程でどのようなことができるのか、そういった純粋な好奇心から参加を決めました。AI への理解を深めることで、仲間のクリエイターたちの権利を守るための支援もできると思っています」
Juanes のコメント:「音楽というのは文化的にも個人的にも人間の体験の根幹となるものです。アーティストにとって、自分の音楽は自分の一部なのです。音楽の役割を考えると、このテクノロジーの未来を形作る上で、アーティストはその中心的な役割を果たすべきだと思います。AI はアーティストに力を与えるツールとして責任ある発展をし、人間の音楽表現が今後何世代にもわたって増幅するように、敬意とモラルある活用が保証されなければなりません。影響力のある UMG のアーティストグループの一人として Google や YouTube と協力していくことを楽しみにしています」
Max Richter のコメント:「他のあらゆる新しいテクノロジーと同様、AI はチャンスをもたらすと同時に、クリエイティブコミュニティにとって深刻な課題ももたらします。テクノロジー分野や音楽配信のエコシステムは、この革新的な技術の活用に向けて急速に進化しています。そしてアーティストがこのプロセスに参加しない限り、私たちの利益が確実に考慮されるようにする方法はありません。私たちの意見を届けるためにはこの会話に参加するしかないのです。音楽や音楽配信における AI の応用に関して、クリエイティブコミュニティの利益を守るため “アーティスト インキュベーター” の一員になれることをとても嬉しく思っています」
YouTube は、質の高い医療 / 健康関連の情報源によるコンテンツが集まる場所となるべく、各地の保健当局や国際的な保健機関のガイダンスに従って、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、ワクチン、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、有害物質など、現実の世界で深刻な危害を与える可能性のあるトピックに関するコミュニティガイドラインの作成について、多くの重要な学びを得ました。そしてこの度、クリエイター、視聴者、パートナーのために、これまでの知見に基づき、誤った医療情報への対応を整理しました。
誤情報も含め、医療情報は絶えず変化します。そのため YouTube は、長期的に通用するポリシーのフレームワークを確立し、自由な議論の場を確保しつつ、著しく有害なコンテンツは適切に削除するという重要なバランスを維持していかなければなりません。一方、十分に研究が進み、科学的コンセンサスが取れている分野については、有害な情報が YouTube 上に公開されていないことを目指しています。
今後、YouTube は、既存の誤った医療情報に関するポリシーを、予防、治療、事実の否定という 3 つのカテゴリーに分けて整理します。これらのポリシーは、各地の保健当局や世界保健機関(WHO)の情報と矛盾する、特定の健康状態、治療法、物質についてのコンテンツに適用します。
特定の健康状態、治療法、物質が、誤った医療情報に関する YouTube のポリシーの対象になるかについては、公衆衛生上の重大なリスクや世界各地の保健機関が公表しているガイダンスに関連しているか、一般的に誤情報として発信されやすいものか、といった観点から判断します。
新しいポリシーフレームワークは、以下の通りです。
予防に関する誤った情報:特定の健康状態の予防または感染、現在承認および接種されているワクチンの安全性、有効性、成分に関して、保健当局のガイダンスと矛盾する情報を宣伝するコンテンツを削除します。例えば、予防方法として有害な物質を宣伝するようなコンテンツが該当します。
治療に関する誤った情報:有害な物質や行為を宣伝するなど、特定の健康状態に対する治療法について、保健当局のガイダンスと矛盾する内容を伝えるコンテンツを削除します。例えば、がん治療薬として塩化セシウムを宣伝するといった、専門的な治療を受けるべき特定の健康状態に対して実証されていない治療法を勧めているコンテンツが該当します。
事実を否定する誤った情報:特定の健康状態の存在を否定するコンテンツを削除します。例えば、COVID-19 で死亡した人の存在を否定するコンテンツが該当します。
YouTubeは、ポリシーを明確化するためのルールを作り、より透明性のあるフレームワークを確立することで、新たにポリシーの対象となる疾患や症状を判断できるようにしたいと考えています。詳細や具体例については、YouTube のヘルプセンターをご覧ください。
がんの治療法に関する誤った情報の削除について
がんと診断された方やそのご家族の多くが、インターネットで症状を検索したり、治療経過について調べたり、コミュニティを探したりします。YouTube のミッションは、そのような人々が YouTube で情報を検索する際、信頼できる医療 / 健康に関する情報源から質の高いコンテンツを簡単に見つけられるようにすることです。
がんは、世界的に最も多い死因の一つで、各地の保健当局および国際的な保健機関の間で安全ながんの治療法について確かなコンセンサスが取れていると共に、誤った情報が広まりやすいトピックであることから、公衆衛生上のリスクが高い疾患と言えます。そのため、YouTubeは、がんの治療法に関する誤った情報を新しいフレームワークの適用対象としました。
本日から数週間にわたり、有害、または有効でないことが確認されているがんの治療法を推奨するコンテンツや、視聴者に専門的な治療を受けないよう勧めるコンテンツを削除していきます。がんの承認された治療法よりも代替治療法の方が安全または有効であると主張したり、がんの治療のために有害、または有効でないことが保健当局から確認されている治療法を推奨するコンテンツが、これに該当します。例えば、「ニンニクでがんが治る」や「放射線治療の代わりにビタミン C を摂取しよう」等の動画は削除します。
YouTube に質の高い医療 / 健康関連のコンテンツを増やすための継続的な取り組みの一つとして、さまざまな信頼できる情報源から集めた、実用的かつ有益ながん関連動画のプレイリスト(英語)を提供しています。また、Mayo Clinic の協力の下、最先端のがん治療法に関する一連の動画を公開しています。
科学と医学の進歩には、討論や議論が極めて重要です。YouTube がポリシーを適用する際は、必ずコンテキスト(追加情報や視聴者への説明)を慎重に検討し、教育、ドキュメンタリー、科学、芸術(EDSA)のコンテキストを持つコンテンツは許容しています。考慮している要素の一つは、公共の利益です。つまり、十分に公共の利益になるコンテンツは、その他の点でポリシーに違反していたとしても削除しない場合があります。例えば、保健当局のガイダンスに異議を唱える公聴会の様子や、演説の中で国政選挙の候補者が保健当局のガイダンスについてコメントする動画、また紛争下や人道的危機が起きている地域の生々しい映像が、そのようなコンテンツに該当します。個人の体験談や、特定の医療研究の結果について議論するコンテンツも対処の例外となる可能性があります。一部のコンテンツには年齢制限を設けたり、視聴者に向けて動画の下に注意を表示することがあります。一方で、コンテキストを足すことでコンテンツが必ずしも許可されるとは限りません。
今回の変更は、各地の保健当局や国際的な保健機関のガイダンスを継続的に追う中で、それらの変更に応じて YouTube の誤った医療情報に関するポリシーを更新する必要が今後生じた際に、きちんと対応できる確かなフレームワークを確立できるようにするためのものです。YouTube は、明確かつ透明性のあるアプローチを通じて、クリエイターがポリシーの境界線を理解した上でコンテンツを作成し、視聴者が YouTube 上で見つけた医療 / 健康情報を信用できるプラットフォームを目指します。