Japan YouTube Ads Leaderboard 2016 年 上半期
2016年9月12日月曜日
Google ではこれまで、YouTube で人気の動画広告を選出する YouTube Ads Leaderboard を、日本においては「話題になった動画広告」として、2013 年は年間、2014 年以降は半年ごとに発表してまいりました。2016 年からは日本の名称を Japan YouTube Ads Leaderboard と改め、半期ごとに発表してまいります。
(参考:2013 年 年間、2014 年 上半期、2014 年 下半期、2015 年 上半期、2015 年 下半期)
(参考:2013 年 年間、2014 年 上半期、2014 年 下半期、2015 年 上半期、2015 年 下半期)
トップクリエイティブディレクター インタビュー
日本を代表するトップクリエイターから、選出された動画広告のクリエイティビティや、TVCM と YouTube 動画広告の制作方法の違いなどについてメッセージをいただきました。
株式会社資生堂 宣伝・デザイン部
クリエイティブディレクター 小助川 雅人 氏
Cannes Lions 2016 の Film, Film Craft の 2 部門でのゴールドなど国内外で多数受賞
株式会社電通 第4CRプランニング局 デジタル・クリエーティブ・センター
クリエーティブ・ディレクター 阿部 光史 氏
Spikes Asia 2015 Film Craft ゴールド・Digital シルバーなど、国内外で多数受賞Japan YouTube Ads Leaderboard 2016 年 上半期 Top 10
- Nike Football
Creative Agency: Wieden+Kennedy
Media Agency: Mindshare , Wieden+Kennedy
- 株式会社 明治
Creative Agency: Nitto
Media Agency: Nitto
- au
Creative Agency: Dentsu
Media Agency: Dentsu
- Netflix Japan
Creative Agency: Netflix (US/JP)
Media Agency: Netflix (US/JP)
- VAN HOUTEN COCOA -バンホーテンココア-
Creative Agency: AOI Pro.
Media Agency: Tokyu Agency
- Beats by Dre
Creative Agency: Hustle
Media Agency: TBWA\HAKUHODO
- PlayStation Japan
Creative Agency: Hakuhodo
Media Agency: Dentsu
- PlayStation Japan
Creative Agency: Hakuhodo
Media Agency: Dentsu
- unicharmjapan
Creative Agency: J. Walter Thompson Japan
Media Agency: Mindshare Japan(GroupM Japan)
- UCC上島珈琲公式チャンネル
最後に、今回のランキングから考察した YouTube 動画広告のポイントをご紹介します。
YouTube では、動画を投稿するクリエイター向けに魅力的な動画の制作、視聴者の獲得、チャンネルの成長のための有益なリソースを入手できる場所として、YouTube クリエイター センターを開設しています。
その中の人気コンテンツ、YouTube クリエイター アカデミーにて、YouTube で支持される動画制作のポイントを 10 か条にまとめた 10 Fundamentals of a creative strategy on YouTube を公開しています。
今回ランキング入りした動画広告には、それぞれこの 10 か条で紹介しているテクニックが多数含まれています。ここでは、代表的なポイントに絞ってご紹介していきますので、スキップされず、視聴者に支持される動画制作の参考に、ぜひ 10 Fundamentals of a creative strategy on YouTube をご覧ください。
その中の人気コンテンツ、YouTube クリエイター アカデミーにて、YouTube で支持される動画制作のポイントを 10 か条にまとめた 10 Fundamentals of a creative strategy on YouTube を公開しています。
今回ランキング入りした動画広告には、それぞれこの 10 か条で紹介しているテクニックが多数含まれています。ここでは、代表的なポイントに絞ってご紹介していきますので、スキップされず、視聴者に支持される動画制作の参考に、ぜひ 10 Fundamentals of a creative strategy on YouTube をご覧ください。
2016 年上半期の第 1 位は、アメリカの YouTube Ads Leaderboard: June 2016 でも選出され、世界中で広告配信された「Nike Football Presents: The Switch ft. Cristiano Ronaldo, Harry Kane, Anthony Martial & More」となりました。インタビューにお答えいただいた小助川氏、阿部氏ともに指摘の通り、NIKE の代名詞とも言えるエキサイティングなオンライン動画はすでに広く認知されており、6 月 9 日公開にもかかわらず、そのストーリー展開に多くの日本の YouTube ユーザーも約 6 分間の動画広告を視聴し、見事、2016 年上半期第 1 位に輝きました。
第 2 位は 2015 年に YouTube で公開されたガルボレッスンミニの続編となる「【WEB限定】石原さとみ出演 ガルボミニ 食べ方講座」で、特にモバイル(タブレット含む)からの視聴が多い動画です。阿部氏は、モバイルはプライベートなものであり、石原さとみさんとの距離感の近さが受けているのではないか。小助川氏は、モバイルで動画を見るときは通勤や寝る前など、ぽっかり「素」になる時間であり、 1 対 1 のつながりが深いタイミングであることを理解した上で制作しているのではないかと評しています。
第 3 位の au の三太郎シリーズ「TVCM │ au「夏のトビラ・一寸法師、登場」篇」は、これまでの「YouTube 話題になった動画広告」にも数多くランクインしており、YouTube でも人気の TVCM シリーズです。本シリーズは CM総合研究所「2016 年上半期 銘柄別 CM 好感度」でも第 1 位に輝いています**。阿部氏がそのヒットの秘訣を「突っ込まれ力」と評価されている通り、動画のコメントには数多くのストーリーに関する意見が寄せられています。
これらの動画広告は、シリーズとしての一貫性があり、視聴者に続編を期待させる要素が詰まっています。また、続編だからこそ、すでにストーリーを理解してい視聴者からの数多くのコメントが寄せられています。YouTube はブランドが動画を通じて視聴者と直接コミュニケーションを行うことができるプラットフォームです。ぜひコメントを表示して視聴者からの反響や意見をくみ取り、今後の動画広告の制作の参考にしてください。
第 4 位には「フルハウス」のスピンオフ版として人気の海外ドラマ「フラーハウス 予告編【吹替版】 - Netflix [HD]」がランクインしました。当時のドラマの視聴者にしかわからないであろう名場面を彷彿とさせる内容を組み込んだ動画広告になっており、コメント欄にはキャストや声優に関する数多くの議論が展開されています。
第 5 位は VAN HOUTEN COCOA の「理想の母親」。自分の描く「理想の母親像」と「現実」とのギャップの中で悩みを持つ母親に向けた密着ドキュメンタリーフィルムで、動画のコメント欄には、母親と思われる方からの勇気づけられたといった声や、子ども達からであろう母親に対する想いを綴るコメントも多く、結果として幅広い視聴者の心を動かした動画広告となりました。
第 7 位 の「“PlayStation 4” CM「山田は呪文をとなえた篇」 『ドラゴンクエストヒーローズⅡ 双子の王と予言の終わり』」は、「もう一度、勇者になろう。」というコンセプトの、ドラゴンクエストシリーズをプレイしたことのある方向けの動画広告。俳優の山田孝之さんがゲームに登場する呪文を連発する、ゲームをプレイしたことのない方にとってはわからないものの、プレイしたことのある方にとっては共感しやすいメッセージになっています。
第 9 位の「sofy presents「すべての就活女子へ」」は、「就活女子の2人に1人が生理で困った経験がある」という調査に基づき、どんな日も自分らしく輝けるようにと女子大生を応援する動画広告。商品訴求は行わず、なかなか思い通りにならない就活の現状を描き、「ただでさえ、女の子には、色々あるしね」というメッセージとともに、「はばたけ、わたし!」というブランドのコンセプトを訴求しています。
これらの動画広告の共通項として挙げられるのが、すでに商品の背景や内容を知っているターゲット、もしくは共感できるターゲット層が限られている商品群において、メッセージを割り切って制作していることです。そして、ターゲットが明確な場合、より効率的にターゲットに絞って視聴してもらうためには、動画広告のターゲティング機能を活用することも重要です。
第 6 位は E-girls を起用したカラフルなテイストの「Show Your Color ft. E-girls | Beats by Dre」、第 8 位は tofubeats によるリズミカルなトラックとラップで PS4 の新作ゲームを一挙に紹介する特別映像「“ PS4 タイトルZOKUZOKU 2016” feat. tofubeats」、第 10 位の「桑田佳祐「大河の一滴」xUCC BLACK無糖 WEBムービー」は、TVCM では収めきれなかったワンコーラスをフルに活用し、さらに TVCM では描ききれなかったストーリーを盛り込んだ動画広告となっています。
いずれも商品特性とアーティストの世界観がマッチし、アーティストのファンからの支持も高い動画広告となりました。近年、タレントはもちろん、YouTube クリエイターを動画広告に起用するケースが増えていますが、コラボレーション相手のファン層と商品ターゲットを一致させることで、話題・共感ともに、さらなる相乗効果を発揮しているようです。
Japan YouTube Ads Leaderboard は、集計期間 2016 年 1 月 1 日から 2016 年 6 月 30 日に投稿された動画の中から、国内における動画の人気(自然に発生した再生回数)とプロモーション(広告から発生した再生回数)を考慮して選出されました。多くの視聴回数を獲得している動画でも、海外を含む YouTube 動画広告出稿の有無、自然動画視聴の比率など、複数の要素によってリストに入らない可能性があります。なお、動画の再生回数は 2016 年 6 月 30 日時点の数値で算出しています。
*出典: Google データ
**出典: CM総合研究所調べ 集計期間:2016年1月度~6月度(2015年12月20日~2016年6月19日)
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