日本版 YouTube 公式ブログ
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YouTube でわかった 5 つのこと
2017年8月23日水曜日
今年の初め、Google から、私の人生を変えた音楽である「ヒップホップ」の 44 周年を祝う
Doodle
の制作に携わって欲しいと依頼されました。私が
Sucker M.C.’s
の前からヒップホップに関わっていることを知っていたからです。ヒップホップの誕生は、表現力と技術革新の融合であり、文化を大きく変えました。Google は、その融合が生まれた瞬間を祝いたいと考えたのです。
私は、参加する条件として、単なるテクノロジー企業によるカルチャーの革命についての解釈ではなく、本質を伝えるプロジェクトにすることを挙げました。Google もまったくの同意見であり、このコラボレーションは、ヒップホップの誕生を祝うにふさわしい、すばらしいインタラクティブな体験を生み出しました。この件を通じて、Google と YouTube は、意見(このケースでは私からの)を真剣に受け止める姿勢、正しい結果を生み出すために全力を尽くすことを示してくれました。
私が Google と YouTube に加わったのは、テクノロジーと音楽を融合することのできる、また、アーティスト、業界、ファンをそれぞれ公平に尊重する立場となれる素晴らしい機会だと思ったからです。8 か月経って、私は 今までにないほど、YouTube にはこれらの実現が可能であるとの思いを強めています。しかし実際のところ、YouTube と YouTube を除く音楽業界の間には依然として隔たりがあります。
YouTube はどのようにしてここまで来たのか。YouTube と音楽業界の現在の関係を表すものはなにか。その要素は、次の 5 つの点によって説明できると思います。
1. 有料サービス参入への遅れ “Late to the party”
一部の音楽業界関係者が YouTube との関係に疑念を抱く気持ちは理解できます。YouTube はサブスクリプション サービスへの参加が遅く、長らく広告収入に焦点を当ててきたのです。YouTube のサブスクリプション サービスが米国で開始されてから 1 年が経過し、数字上は順調ですが、サブスクリプション サービスにユーザーを導く手腕については、その信頼性をこれから証明しなければなりません。
とはいえ、私が YouTube に来てから、心強い事例を数々目にしてきました。YouTube チームはサブスクリプション サービスに真剣に取り組んでいます。YouTube Music と Google Play ミュージックの統合により、より優れたサブスクリプション サービスが構築されると私は確信しています。先日 Warner と締結したような契約が増えていけば、YouTube はサービスをより広く世界レベルで展開していけるでしょう。
2. 成長を支える 2 基のエンジン
私が将来を楽観視する理由のひとつとして、ストリーミング サブスクリプション サービスの成功が挙げられます。サブスクリプション モデルによる売上は成長の初期段階にあるとはいえ、音楽業界にはすでに数 10 億ドル規模の収益がもたらされています。これは、決して単なる机上のビジネスモデルではなく、現実にサブスクリプション モデルは、実際にレコード レーベルとアーティストの収入源として急速に成長しているのです。
また、広告型ビジネスモデルが音楽業界に死をもたらすと言う人もいますが、広告型ビジネスモデルは死をもたらすものではありません。死とは死のことです。死とは、無関係になること、つまり、ファンが新しい音楽に触れられなくなることが死です。私は YouTube で時間を過ごすなかで、広告は業界のもうひとつの強力な成長源であると確信しました。YouTube の広告によって、音楽業界には 12 か月で 10 億ドル以上がもたらされており、事業規模は急速に拡大しています。YouTube は、拡大を続けるサブスクリプション サービスと合わせて、音楽業界にこれまで以上に利益をもたらす 2 基のエンジンを持ち合わせているのです。
ただし、これらの新しい成長源を活かせるかどうかは業界の受け止めかた次第というところもあります。私は長い間業界にいたので、業界が iTunes や Spotify に数 10 億ドルの収益をもたらす以前に、それらのサービスをどう評価していたかを覚えています。音楽業界における今日の成長は、広告とサブスクリプションが共存して繁栄できることを証明しています。
3. お金の話をしましょう “Let’s talk dead presidents”
レーベル、音楽出版社、YouTube が力をあわせて、音楽業界における透明性を実現することが重要です。すべての業界関係者にとって、ビジネスを前進する助けとなると強く信じているからです。
アーティストやソングライターは、異なるプラットフォームでどれだけの利益がでているのかを真に理解する必要があります。YouTube が音楽業界に 10 億ドル以上の広告収入を支払ったと公表するだけでは、十分ではありません。私たち( レーベル、音楽出版社、YouTube ) は、アーティストが受け取る分配額に光を当て、どれほど広告による収益や、国や地域ごとのサブスクリプション モデルによる収益を得ているのか、米国内での収益については他のサービスと比べていかに多いのかを伝えなければなりません。
例えば、YouTube は Spotify や Pandora と比較して広告型のストリーミングに対して支払う額が少ないと批判する人たちがいます。私もかつてはその 1 人でした。しかし、YouTube に来てから、自分自身の目で実際の数字を目の当たりにしました。YouTube は米国で 1,000 ストリームあたり 3 ドル以上を支払っており、これは他の広告型のストリーミングが支払う額よりも多いことがわかりました。
では、なぜこの事実は知られていないのでしょうか。それは、YouTube がグローバルなサービスであるため、発展途上市場の低い収益によって全体的な数字が薄まってしまうためです。ただし、YouTube の広告事業への取り組みから、今後広告収入は世界中で上がっていくでしょう。そうした取り組みが成功すれば、音楽業界の収益は今後数年間で倍増する可能性があります。
4. 富と名声
過去 30 年間、私は毎朝こう思いながら目を覚まします。「今日、この日、ポップカルチャーを変えうるアーティストに出会うかもしれない」。私は無名のアーティストがセレブリティに成長する姿を見届けることがたまらなく好きなのです。これはもう中毒と言っていいでしょう。
私が今まで一緒に仕事をしたことのあるアーティストは、誰しもが名声と富を求めていました。YouTube はアーティストに富をもたらしますが、名声をもたらすことについても同じくらい注力して取り組む必要があると思います。YouTube はすでに新しいアーティストを発掘する大きな力になっており、実際に YouTube の音楽再生時間の大部分は、特定の音楽を聴きたいというユーザーよりも、おすすめを楽しむユーザーによって構成されているのです。しかしながら、YouTube は、アーティストとアルバムをプロモーションし、アーティストが成功する新しい方法を見出す必要があります。そうすることで、アーティストがプラットフォーム上で光り輝き、ファンとつながるチャンスを得ることができるのです。これは私の最優先課題の 1 つであり、今後皆さんに更なる取り組みをご紹介できるでしょう。
5. セーフハーバー(安全港)なしでは、全員が遭難してしまう
私は、アーティストが正当な利益を得ることができるよう、職業人生のすべてを費やし戦ってきました。海賊版カセットテープの横行が一番の問題だった時代から、私は RIAA や IFPI と協力して著作権侵害と戦ってきました。しかし多くの関係者は、セーフハーバー ルールが強迫観念となり、音楽業界のあらゆる苦悩の元凶だと嘆いています。「著作権のセーフハーバー ルールに集中すると権利侵害に対する注意がおろそかになる」という意見に対して、企業側の意見をそのまま受け売りするつもりはありませんが、実際に、セーフハーバー ルールは、YouTube、Facebook、Soundcloud、Instagram などのオープンなプラットフォームで世界中の数えきれないほどのアーティストに発信の場を与えているという意味で、音楽業界の競争力と活気を高めることに一役買っています。
あらゆるアーティストは、クレジット表記や支払いなしで自分の楽曲がオンラインに上げられていないかを常に気にかけているはずですが、YouTube が開発した「
Content ID
」を使うシステムでは、音楽をアップロードしたのが誰であっても、権利所有者が収益を得られるようになっています。2016 年時点で、YouTube での音楽に関する申し立ての 99.5% は Content ID を使用した一致の検出によって自動的に行われており、削除または収益化の対応がとられています。
Content ID
が生まれる前は、ファンがミックステープを作成し、友人同士で音楽をを共有すれば、それは著作権違反行為と見なされていました。現在ではそうした共有行為によって、コンテンツ所有者に 20 億ドル以上の収益が生み出されています。これはセーフハーバーのルールによる要求をはるかに超えています。
私にとって、音楽業界での初めての仕事は、Run DMC のツアー マネージャーでした。そのときに学んだことは、私が全キャリアを通して取り組んできたことの中核となっています。それは、アーティストとファンが集まって日常では起こり得ない素晴らしい瞬間を生み出せるように環境を十分に整えるということです。私は人生のすべてを、アーティストが名声と富を得るのを手助けすることに費やしてきました。もし YouTube が、アーティスト、レーベル、音楽出版社、ソングライターによって多くの利益を生み出すために尽力しない会社だとしたら、私は YouTube には来なかったでしょう。必要なことは、環境を十分に整え、道を開くことなのです。
愛と敬意を込めて
リオ コーエン
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