日本版 YouTube 公式ブログ
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スーザン ウォジスキからクリエイター、アーティストの皆さんへ
2020年6月26日金曜日
世界中のあらゆる人々が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の壊滅的な影響を受け、病気や孤独、失業などの困難と対峙しながら過ごし、また家庭では自宅で過ごす子供との日々を過ごしました。
さらに、米国ではこの数週間にわたり、人種主義に端を発した黒人コミュニティへの卑劣な行為や暴力を目の当たりにして、悲しみにあふれています。このような悲劇が繰り返されるたび、組織的な人種差別に心を痛めている人は少なくありません。 新型コロナウイルス感染症は、米国や世界各地の黒人およびヒスパニック コミュニティに特に被害が大きく、このような人種差別が原因の一つにもなっています。
YouTube は、「Black Lives Matter」に賛同し、組織的な人種差別を廃絶するために、もっとしなければならないことがあると感じています。そして、YouTube は、 George Floyd 氏、 Breonna Taylor 氏、 Ahmaud Arbery 氏だけでなく、彼ら以外にも犠牲になってしまった方々に対する抗議運動に賛同します。
今年に入って次々と起こった悲惨な出来事は、人のつながりの大切さと、世界中で人権擁護を強化し続けることの必要性を私たちに気づかせました。
15 年前のサービス開始
当初から、YouTube は人々が集まる場所になっています。そして、このような状況の中でも、クリエイターの皆さんは、他の場所では表現できなかったかもしれないストーリーを共有し、オンライン上で自分たちのコミュニティを作り上げています。
黒人コミュニティへの支援
私たちは、YouTube が多様かつ幅広い意見を大切にするプラットフォームであることを常に誇りに思っています。これまで YouTube ではコミュニティを守るため、さまざまなポリシーを実施し、機能を実装してきました。
しかし、特に黒人コミュニティに関しては、もっとできることがあるという認識のもと、以下の取り組みに注力していきます。
黒人コミュニティの声を届ける
YouTube は、黒人コミュニティの声や意見を届けるために、より良いプラットフォームになるように取り組んでいきます。
黒人クリエイターやアーティストのストーリーや声を育て、広げるために、 1 億ドルの基金を複数年にわたり提供することを発表します。
今後注力していきたいプロジェクトとして、YouTube Originals が制作したライブ配信形式による募金イベント「
Bear Witness, Take Action
」を 6 月 13 日(土曜日)に公開しました。この動画では、クリエイター、アーティスト、影響力のある著名人や活動家が座談会や音楽パフォーマンスを通してこの問題について発信しています。集まった募金は
Equal Justice Initiative
に寄付します。
6 月の一ヶ月間は、YouTube の Spotlight チャンネルで人種間の平等を巡る問題をテーマに、YouTube の黒人コミュニティが提示した新しい視点を織り込み、歴史的背景、教育用動画、抗議活動の報道とともに紹介しています。何世紀にも及ぶ平等のための戦いにおいて、とりわけ重要なストーリーを紹介しています。
ヘイトスピーチや嫌がらせから保護する
私たちは、YouTube の黒人クリエイターやアーティストを含む多様なコミュニティをヘイトスピーチや嫌がらせから守るために、長年にわたり数々の対策を実施してきました。昨年は、
ヘイトスピーチに関するポリシー
と
嫌がらせに関するポリシー
をより厳しい内容のものに更新しました。ヘイトスピーチに関するポリシーでは、人種的な差別、隔離、排斥を正当化する目的で人種、性別、宗教、性的指向などに基づいて特定の集団が優れていると動画で主張することを明示的に禁止しています。
こうしたポリシーの更新と適用を続けた結果、ヘイトスピーチや嫌がらせに関連して削除した動画は四半期だけで 10 万件以上、コメントは 1 億件を超えました。
もちろん、私たちの取り組みはまだまだ終わりません。
ここ数年間の取り組みをもとに、この機会に YouTube のポリシーとサービスがすべてのユーザー、特に黒人コミュニティにどのような影響を与えているかを調査し、格差を埋めていきます。そして、この活動をさらに広げて、すべてのユーザー、アーティスト、クリエイターが安心して自分たちのストーリーを共有し、差別的なコンテンツ、いじめ行為を含むコンテンツから保護されるように努めます。
米国では黒人アメリカ人が何世代にもわたって平等を待ち望んでいます。YouTube では、この不平等の波紋が今や世界中に広がっていると認識しています。
私はこれからも、YouTube で働いている黒人の社員、黒人のクリエイターやアーティスト、黒人コミュニティのリーダー、そしてYouTube を視聴してくださる黒人ユーザーの声に真摯に耳を傾けます。
人種間の平等を進めるためにすべきことはたくさんあり、こうした取り組みは今後も続けていきます。
責任をもって、信頼できる情報を届ける
新型コロナウイルス感染症が世界で拡大する中で、この数ヵ月間はユーザーと信頼できる情報を結びつけることがもう一つの重要課題でした。最初の取り組みは、90 ヵ国以上の保健当局の協力のもとに、YouTube のホームページと、動画検索や新型コロナウイルス感染症 に関する検索結果に各地域の信頼できる関連情報を表示しました。これらの情報パネルは合計 2000 億回以上表示されています。
また、世界 30 ヵ国以上で新型コロナウイルス感染症専用のニュースパネルを立ち上げ、保健当局や報道機関からの動画を表示しました。YouTube で新型コロナウイルス感染症関連のトピックを検索したユーザーに表示されたトップ 10 の動画を調べたところ、平均で 94% が信頼性の高いチャンネルの動画でした。これは重要な進歩であると考えています。今後もこの数字を上げるために努力を重ねていきます。
信頼できる情報に加えて、YouTube では医療に関する有害な誤情報の拡散防止にも注力しています。
最新の医学情報に基づいたポリシー
を策定するために、WHO (世界保健機関)などの保健当局、CDC (アメリカ疾病予防管理センター)や内閣官房などの国別組織、医療および公衆衛生局の専門家に助言を継続的に求めています。YouTube のポリシーを更新して、たとえば「ウイルス感染症は存在しない」や「確実な治療法がある」といった主張など、医学的な誤情報を含むコンテンツを禁止しました。これらのポリシー違反により削除された動画は、今日現在で 20 万件にのぼります。
YouTube では、公開討論で幅広い意見を表明できることの重要性についても理解しています。例えば、政府の危機対応体制、経済再開をいつどのように進めていくべきか、保健当局や政府高官への批判などさまざまな意見があります。プラットフォームでこうした重要な議論を安心して続けられるよう見守り、誤った情報を拡散しないよう対応していきます。
ユーザーを信頼できる情報と結びつけるために、クリエイターも重要な役割を果たしています。40 人の著名なクリエイターと保健当局の高官との対談、
Dr. Jaime Sepúlveda
へのインタビュー(スペイン語)、
Dr. Anthony Fauci
と、
Trevor Noah
氏、
Dr. Mike、 Lilly
Singh
氏 、
Phil DeFranco
氏、
Dr. Regina Benjamin
、
Dr. Georges Benjamin
との対談が配信されました。
Dr. Regina Benjamin
と
Dr. Georges Benjamin
は、COVID-19 がアフリカ系アメリカ人のコミュニティに与えた影響について、黒人クリエイターと話し合いました。クリエイターによるこれらのインタビューは、160 ヵ国以上から 4,300 万回以上視聴されました。
また、全世界で 700 人以上のクリエイターやアーティストが YouTube の「
#家で一緒に
」(#withme )」 キャンペーンに参加し、視聴者に家で過ごすように呼びかけ、感染を防ぐ方法を伝えてくれました。
こうしたメッセージは世界中の視聴者に広がり、30 億回以上表示されています。
この取り組みをリードしてくださったすべてのクリエイターに感謝の意を表します。
YouTube の学びのコンテンツ
YouTube は、これまでも「学びの場」として活用されてきましたが、直近の 3 か月間では、「homeschooling(家庭学習)」をタイトルに含む動画の 1 日あたりの平均視聴回数は、全世界で 3 倍以上に増加しました。
自宅学習が始まってからほどなくして、アメリカの高校生が 5 月に受けるアドバンスド プレースメント テスト(AP テスト、大学 1 年相当の科目を受講し、単位取得のために受ける試験)の準備を支援するために、Learn@Home イベントで
The College Board 主催のライブ配信
を特集しました。その反響は私たちの期待を上回るもので、ライブ配信の初日から視聴回数は 70 万回を超えています。また、米国史のマスタークラスに、ブロードウェイ俳優であり劇作家でもある Lin-Manuel Miranda 氏をスペシャル講師として招待し、ライブ配信を行い、 試験の準備をしている学生をサプライズ応援しました。
日本においても、あらゆる年齢の生徒が自宅から学習を続けられるように、様々な取り組みが行われています。例えば、「
とある男が授業をしてみた
」などのチャンネルによる積極的な授業動画や自習ライブの配信、「
YouTubeの予備校「ただよび」
」の受験対策動画投稿などが行われています。また、文部科学省が提供する
子供の学び応援チャンネル
でも、授業動画の配信が始まりました。
手洗いなどの大切な生活習慣を教える動画
や
子ども向けの朗読の動画
も YouTube Kids で多く視聴されました。
オンラインのつながり、オンライン コミュニティを支援する
家にいる子どもは、オンラインで学ぶだけでなく、誕生日や記念日を友だちとお祝いしたり、「オンラインお泊り」を楽しんだりしています。
人々は新しいつながり方を探しています。YouTube でも、オンライン コミュニティで人々が関係を築いています。
世界的に自宅待機していた期間中のライブ配信のユーザー利用率は非常に高く、テレビ画面でのライブ視聴総時間は前年比 250% 以上に増加しました。
YouTube コミュニティがよりよい影響力を発揮できるように、今年は寄付ボタンを追加できる条件を 1,500 から 40,000 チャンネル以上に広げ、より多くのクリエイターが関心の高いテーマについて視聴者に寄付を呼びかけられるようにしました。
新しい創造性
この信じられないほど困難な時期でも、YouTube のクリエイティブ コミュニティはかつてないほどの創造性に溢れています。制作に時間をかけた動画から自宅ガレージ兼スタジオの動画まで、あらゆるスタイルに合わせて撮影できる専門性の高いクリエイターは、新しい現実に即座に順応し、ストレス解消のためのヨガ、自粛生活中の Vlog といったさまざまなコンテンツを制作してくれました。
YouTube をバーチャル コンサート会場にして、ファンをオンラインに集めているアーティストもいます。
Rolling Stones
、
Radiohead
や
Grateful Dead
などのバンドはライブコンサートの映像を毎週公開し、自宅で過ごすファンを喜ばせています。ブラジルの歌手
Marília Mendonça
は、先月自宅で YouTube のライブ配信コンサートを主催し、その動画は 2000 万回以上視聴されています。
自粛機関中に新しいフォーマットのコンテンツも増え、YouTube で初めてとなる
バーチャル ファッション ショー
やライブ配信による
グローバル映画祭
が開催されました。
在宅勤務のヒントから、
DIY の質問に答えるために YouTube チャンネル
を立ち上げてくれたお父さんによる、棚のつるし方や排水溝づまりの直し方のアドバイスまで、この外出自粛期間中に新しいコンテンツをリリースしてくださったクリエイターの皆さまに感謝します。
皆さんの動画が家で視聴している誰かの楽しみになっています。その価値は、視聴回数が数百でも数百万でも関係ありません。
YouTube クリエイター向けの最新情報
新型コロナウイルス感染症が拡大するこの数ヵ月間は、クリエイターの皆さんにとって大変な時期だったと改めて痛感しています。その中で、YouTube でも、クリエイターを支援する取り組みを当初から続けてきました。3 月にはポリシーを更新し、新型コロナウイルス感染症に関連する議論をしているクリエイターや報道機関のコンテンツへの広告表示を有効にしました。
広告市場の変動を踏まえ、クリエイターの皆さんには、
広告収益以外の方法による収益化や多様化
を奨励しています。クリエイターを支援するために
Super Chat や Super Sticker
、YouTube で
チャンネル メンバーシップ
を初めて購入した視聴者の数は、3 月初旬から数えて 200 万人を突破しました。
収益の大半を YouTube のチャンネル メンバーシップなどの広告収益以外の収益源が占めるクリエイターの数は、1 月から 40% 増加しました。
YouTube でライブ配信するアーティストが増えたことから、Super Chat と Super Stickers 機能をさらに多くのアーティスト チャンネルにも提供しています。
今年は
自己診断プログラム
の対象をYouTube パートナープログラム(YPP)のすべてのクリエイター チャンネルに拡大し、クリエイター自身が収益化の判断を細かく管理できるようにし、ポリシーの透明性を推進します。自己診断機能を利用して動画の内容を申告することで、その動画が YouTube の広告掲載に適したコンテンツのガイドラインをどのように遵守しているか理解できます。
この数週間、「米国通信品位法第 230 条(セクション 230)」に関する質問を耳にされたかもしれません。これは、YouTube が、暴力を誘発するコンテンツ、子どもを危険にさらすコンテンツなどの有害なコンテンツからコミュニティを守りながらオープン プラットフォームとして運営することを認める米国の法律の一条項です。セクション 230 を弱体化することは、YouTube がユーザーを保護する力を弱めるだけでなく、さまざまな政治的観点を持つクリエイターが意見できるコンテンツの投稿が大幅に制限されることにつながると考えています。このような変更が認められた場合、YouTube などのオンライン サービスはコンテンツを「過剰にフィルタ」せざるを得なくなり、その結果、クリエイターによるニュース速報の共有、学習コンテンツの投稿、不正の公開など、多様な声や意見を広げていくことは難しくなると予想されます。
私たちは、セクション 230 の変更が世界中のクリエイター エコシステムにどのような悪影響を与えるのかを、これからも皆さんの声を代弁していきます。
ウェルビーイング
COVID-19 の感染拡大に伴う新たな困難を乗り切らなければならない今、コンテンツの制作作成に取り組むことがいかに難しいか、正直に気持ちを共有してくれたクリエイターの皆さんに、私個人から感謝の気持ちを伝えます。このような環境の中で、メンタルヘルスとウェルビーイングを私たち全員の最優先課題に据えることはとても重要です。
私たちは、多くの人々が毎日 情報を求めてYouTube を訪れていること、そして YouTube には、健康に関するさまざまな問題を知ってもらう機会が与えられていると認識しています。
この数ヵ月間で瞑想関連の動画の視聴回数が 45% 増加し、マインドフルネスとウェルビーイングのコンテンツの視聴回数も増加しました。
YouTube は、ユーザーがデジタルツールを健康的な生活のために活用できるようウェルビーングに関する機能を拡張し、 YouTube で過ごす時間を管理できる「休憩」オプションに加えて「
おやすみ時間の通知
」を新たに追加しました。
YouTube の「
#家で一緒に
」キャンペーンでは、クリエイターとともに、
Kati Morton
の Why Support Helps のような動画にスポットライトを当てています。Kati 以外にも、メンタルヘルスに対する偏見について正しい情報を発信し、偏見を緩和するために取り組んでいるクリエイターがいます。
この数カ月は非常に困難な状況でした。しかも、私たちの戦いはまだ終わっていません。そして、皆さんの情熱とクリエイティビティに勇気をもらっています。
互いに助け合うために力を合わせ、世界に還元してくださった皆さんには、どんなにお礼を言っても言い尽くせません。人生が大きく変わってしまったように感じるときでも、良いことを見つける努力が大事だと思い出させてくれました。
YouTube コミュニティに参加してくださり、ありがとうございます。YouTube でつながりを作るのも、全世界とつながるのも、すべてが素晴らしいことだと実感しています。ひとつになり、多くの声が集まれば変化が生まれます。
スーザン ウォジスキ
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