YouTube は誕生した当初より、自身の声を伝え、コミュニティを見つけ、世界中の視聴者にリーチし、ビジネスを築くことができる場を、数百万人ものユーザーに提供してきました。2007 年に YouTube パートナー プログラム(以下、YPP)を開始したことで、クリエイターが収益の分配を受け、自身のコンテンツでお金を稼ぐことができるようになりました。つまり、この独特なビジネスモデルでは、クリエイターが成功して初めて、YouTube も成功します。そして現在、多くのクリエイターは、独自のビジネスを築いて成功を収め、従業員を雇用して本格的な事業運営を行っている実業家でもあります。YouTube が過去 3 年間にクリエイターやアーティスト、メディア企業に支払った金額は、500 億ドル (2022 年 6 月時点)にも上ります。
本日ご紹介するのは、多種多様なコンテンツを作成するクリエイターに報いる、YouTube の次なる一歩です。クリエイターにパートナーになっていただくためのさらなる方法や、ショート動画を収益化する新しい方法、クリエイターと音楽業界が協力関係を築くための改革案を発表します。
クリエイターが収益化するための新しい方法
YPP の開始当初、YouTube は、標準的な横長のフォーマットの動画しか投稿できず、主な収益源は広告だけでした。しかし、現在では、クリエイターは 15 秒の縦型のショート動画、15 分の動画、15 時間のライブ配信など、複数のフォーマットを活用して様々な表現に挑み続けています。そして視聴者ファンディングやブランドスポンサーシップなど、多様な収益源に基づいてビジネスを展開しています。
YouTube は現在、200 万人を超えるクリエイターに対して、様々な収益化方法を提供しています。しかし、YouTube はこれに留まらず、より多くのクリエイターとアーティストが様々なクリエイティブ フォーマットを活用して、YouTube で収益を上げる機会を得られるようにします。2023 年の初頭から、ショート動画がメインのチャンネルを運営しているクリエイターは、チャンネル登録者 1,000 人以上、 直近 90 日間のショート動画視聴回数 1,000 万回以上などの条件を満たせば、YPP に申請できるようになります。これにより、YouTube での活動を始めて間もないクリエイターも、Super Thanks、Super Stickers、チャンネル メンバーシップなどの視聴者ファンディング機能をいち早く利用いただけるようになります。
また、YouTube は、YouTube での活動を始めて間もないクリエイターをサポートするために YPP に新しい利用資格を設け、Super Thanks、Super Chat、Super Sticker、チャンネルメンバーシップを含む視聴者ファンディング機能を早い段階から利用できるようにします。長尺動画、ショート動画、ライブ配信、様々なフォーマットを活用するクリエイターに還元すべく、2023 年にこの新しい利用資格を YPP に導入する予定です。
なお、YPP の既存の利用資格に変更はありません。クリエイターは、今後もチャンネル登録者 1,000 人、総再生時間 4,000 時間に到達するなどの条件を満たせば YPP に申込めます。今回の変更には、成長を続ける YouTube のクリエイター コミュニティの多様性が反映されており、クリエイターが自身のチャンネルに一番合ったオプションを選べるように構成しています。どのオプションでも、広告主にとって重要なブランド保護は以前と同じレベルに保っています。詳しくは、こちらをご確認ください。
YouTube ショート クリエイター向けの新しい収益化方法
YouTube ではショート動画の人気が高まっています。1 日の視聴回数は 300 億回以上、月間ログイン ユーザー数は 15 億人に達しており、あらゆるトピック、カテゴリ、国や地域で YouTube ショートの作成数が大幅に増加しています。新たに登場したショート動画のクリエイターに還元するため、YouTube は一時的な措置として YouTube ショート ファンドを設立していました。この度、 YouTube 独自のビジネスモデルを YouTube ショートにも実装し、ショート動画でも収益分配を行うこととなりました。
仕組みは次のとおりです。
2023 年の初頭より、現在 YPP に参加している、または今後参加するクリエイターは、ショート動画で収益分配を受けられるようになります。
YouTube ショートでは、広告はショート動画のフィードに流れる動画の間に表示されます。こうした広告からの収益はまとめられ、YouTube ショート クリエイターへの報酬と音楽ライセンス費用に使用されます。
クリエイターに割り当てられる全体の広告収益の 45% を YouTube ショート クリエイターが受け取り、ショート動画の合計視聴回数の割合に応じて分配されます。音楽を使用しているかどうかは、収益分配の割合に影響しません。
この全く新しいアプローチにより、広告の後に長尺動画が表示されるクリエイターだけでなく、YouTube ショートの体験を作り上げている、すべての YPP クリエイターに還元できるようになります。また、音楽によって人気に火が付き、視聴者の記憶に残るようになるショート動画もありますが、このアプローチでは、複雑な音楽ライセンスをシンプルな形で処理することができるため、クリエイターはショート動画に音楽を使うことについて心配する必要がなくなります。
YouTube は、YouTube ショート ファンドを受け取っているクリエイターの大半が、この長期的かつ持続可能な新しいモデルのもと、これまでよりも多くの収益を上げられるようになると予想しています。固定額のファンドではなく、これまでクリエイター エコノミーを活気づけ、クリエイターが YouTube での成功から収益を受けることを可能にしてきた収益分配モデルをさらに強化するものです。
数千人のクリエイターを対象に、YouTube ショート向けの Super Thanks をベータ版でグローバルに順次リリースし、2023 年の完了を予定しています。視聴者はお気に入りの YouTube ショート動画に対して感謝・応援の気持ちを示せるようになり、クリエイターは購入後にハイライト表示される Super Thanks コメントを通してファンと交流できるようになります。
YouTube のサウンドトラックの進化
音楽は、YouTube ショートにも、そして YouTube 全体にも欠かせません。YouTube の歴史の中で、クリエイターは、過去の楽曲を流行らせたり、ある国の人気曲を世界的なヒットにしたりしてきました。しかしこれまで、音楽ライセンスの複雑さゆえに、音楽が流れるほとんどの長尺動画でクリエイターが収益を得ることはできませんでした。YouTube は、この状況において、音楽業界とクリエイターの間の橋渡しをするために、クリエイターの動画内での音楽のあり方について再検討しました。
この度 YouTube は、クリエイターが自身のチャンネルを管理する YouTube Studio 内に新しいページ「クリエイター ミュージック」を作成し、長尺動画に使える楽曲を集めた音楽ライブラリに簡単にアクセスできるようにします。これによりクリエイターは、収益化の可能性を広げる音楽ライセンスを、手頃な価格で購入することができるようになります。クリエイターへの収益分配は、音楽のない通常の動画の場合と変わりません。
ライセンス購入の前払いを希望しない場合、使用した楽曲のアーティストや関連する権利所有者との間で、収益を分け合うことも可能です。クリエイター ミュージックは現在、米国でベータ版が提供されており、2023 年に対象地域を拡大する予定です。クリエイターは、選択した楽曲の使用条件をすぐに確認することができます。
クリエイター ミュージックにより、クリエイターとアーティストに素晴らしいコラボレーションの機会が提供され、視聴者のプレイリストには新しい楽曲が増え、アーティストが飛躍する機会が増えます。これらすべてが、クリエイターにも収益が入る形で可能になるのです。
YouTube でクリエイターが全く新しい産業を興すのを目の当たりにできて、本当に嬉しく思います。YouTube のビジネスモデルが始まった 2007 年以来、YouTube は、経済的成長の原動力と、YouTube とクリエイター双方の成功のためにクリエイターをその中心に据えてきました。「Made on YouTube」で発表された今回の一連の施策から、今後 15 年間で何が生まれるのか、今から楽しみでなりません。
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