皆さまは、15 年前、 2007 年の出来事を覚えていますか?2007 年には、東京マラソンが初めて開催され、プロゴルファーの石川遼選手が 15 歳 8 カ月で史上最年少優勝を成し遂げ、芸人の小島よしおさんの「そんなの関係ねぇ!」のギャグが流行語になり、宇多田ヒカルさんの「Flavor of Life」が大ヒットしました。このような出来事があった、2007 年の 6 月 19 日に、YouTube は日本語版のホームページを開設しました。
YouTube は「表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届けること」を開設当初からの使命としており、それは 15 年経った今も変わりません。この使命の通り、今では日々、 YouTube に様々なコンテンツをクリエイター、アーティスト、企業の皆さまが投稿してくださるようになり、 2007 年に起きた上記のような過去の出来事も YouTube で視聴できるようになりました。
HIKAKIN さんや はじめしゃちょー さんのような YouTube 発のエンターテイナーが登場し始め、今では TV をはじめ、様々なメディアでも活躍するようになりました。後に、中学校の数学、大学の数学の勉強や、料理研究家が教えるこだわりレシピ、東京 2020 オリンピックのスケートボードで金メダルを獲った四十住さくらさんがスケートボードの技を磨いたように、スキルの習得など、学びのコンテンツを提供するクリエイターが増えました。近年では TV や映画などで主に活躍されている杏さんや乃木坂 46 さんなどの俳優やタレントも YouTube を自身の言葉や表現で発信するプラットフォームとして活用しています。コロナ禍では、ニュースコンテンツの視聴も増え、YouTube でその日のニュースのダイジェストをチェックしたり、気になるニュースの深堀解説を視聴することもできるようになりました。
日本から生まれたカルチャーが海外で広まるケースも出てきています。2016 年にバーチャルクリエイター、Kizuna AI さんが登場して以来、次々とバーチャルクリエイターが YouTube で活躍し始め、最近では、Gawr Gura さんのように英語で海外のファンへ発信しているクリエイターも増えてきています。
15 年間のイノベーション
製品でも進化がありました。日本語版を開設して間もなく、著作物を検出し、正しく権利者が動画利用をコントロールするための YouTube 独自のツール、「Content ID」を導入しました。コロナ禍では以前より頻繁に音楽アーティストに利用いただいたライブ配信機能は 2011 年に開始しました。2017 年にはクリエイターと視聴者間のコミュニケーション機能 Super Chat が利用できるようになり、2018年には、定額制サービス YouTube Premium と、音楽配信サービス YouTube Music を同時に発表しました。そして昨年、YouTube ショート を展開し、YouTube で横型の長尺動画のみならず、スマートフォンで簡単に撮影・編集ができる縦型の短尺動画のサービスも開始しました。YouTube ショート は現在、毎月 15 億人の月間ログインユーザーが視聴をするまでに成長しています。
情熱を収益に
今日の YouTube によるクリエイターエコシステムを可能にしている、チャンネルを収益化する YouTube パートナープログラムは 2008 年に始まりました。現在では、世界中で 200 万人以上のクリエイターが参加しており、2020 年 11 月までの 3 年間に、 YouTube がクリエイター、アーティスト、メディア企業に支払った金額は、300 億ドル以上に上ります。
クリエイターが自身の情熱や知識を視聴者に伝えることで収益を得られるようになると、コンテンツの質を上げるためにより予算をかけられるようになり、それがさらに収益に繋がるという好循環が生まれます。また、クリエイターがコンテンツを活用してビジネスを展開することで、より多くの雇用と大きな経済効果を生み出すことができます。英国の独立系コンサルタント会社である Oxford Economics の「YouTube Impact Report」によると、2020年、YouTube は、2,390 億円を日本の国内総生産(GDP)に貢献し、75,970 人のフルタイム雇用を創出しました。
クリエイターがビジネスを構築し続けられるように支援することが、これから先も続く YouTube の最優先事項のひとつです。
YouTube は拡大するコミュニティとクリエイターエコシステムを守るために、コミュニティガイドラインを設け、4 つの Responsibility(責任)を掲げています。「違反コンテンツを削除する( Remove )」、「信頼できるコンテンツを見つけやすくする ( Raise ) 」、「ガイドラインのボーダーライン上のコンテンツや有害な間違った情報の拡散を減らす ( Reduce ) 」 、そして、「信頼できるクリエイターやアーティストに還元する ( Reward ) 」。今日まで、ポリシー、リソース、プロダクトへの投資を行ってきましたが、今後も YouTube のコミュニティを守りながら、多種多様な意見が発信できるように努めていきます。
15 年間の暖かいご支援に感謝します。YouTube は引き続き、皆さまの日常に寄り添うコンテンツを提供できるよう、日々邁進してまいります。
番外編:15 年の間にブレイクした各年の動画で、日本の YouTube を振り返ろう
今回、15 周年を記念して、15 年の間にもっとも “ブレイク” した動画をランキングにしてお届けします。このランキングは、2007 年から年度別に投稿された動画について、動画公開から 2022 年 5 月までの国内の再生や評価の数等をもとに様々な要素で選出しています。
以下は、各年の 1 位の動画の総まとめです。各年の トップブレイク 動画と トップブレイク 音楽動画、それぞれのトップ 5 のフルランキングも合わせてご確認ください。
*集計方法:それぞれの年に投稿された音楽関連動画や子供向け動画を除いた動画の中から、動画公開から 2022 年 5 月までの国内の再生や評価の数等をもとに様々な要素で選出しています。
*2021 年分は、2021 年に発表した「トップトレンド動画」「トップトレンド音楽動画」を再掲載しています(リンク:https://www.youtube.com/trends/2021/jp/)
ビートボックス
ビートボックスは YouTube の初期に人気となった動画ジャンルの一つです。昨年、1,000 万人チャンネル登録を達成した HIKAKIN さんが、 YouTube に最初に投稿した動画もビートボックスの動画で、HIKAKINさんは2007年の第 1 位となりました。
また、ビートボクサーの Daichi さんが、ビートボックス大会に応募するために投稿した「Daichi for Beatbox Battle Wildcard」は 2009 年の第 2 位に、HIKAKIN さんと Daichi さんがコラボレーションした 「Beatbox Game - Hikakin vs Daichi」は 2012 年の第 1 位となりました。
犬と猫
かわいい・おもしろい犬や猫の動画は、YouTube の初期から続く人気ジャンルのひとつです。
2008 年の第 1 位になったモアクリさんの「 だるまさんが転んにゃ - Stalking Cat -」に登場するモアレは、2007 年、0 歳のときに「モアレ #01 「モアレ登場」 」で YouTube に初めて姿を現しました。現在は 15 歳になり、妹分の猫・クリエと楽しく過ごしている姿を視聴者に見せてくれています。
2013 年は noa6585 さんの「マムシに噛まれた柴犬ラッキー ( The name of a dog bitten by a poisonous snake "is lucky "」が第 1 位となりました。マムシに噛まれ、顔が腫れてしまった犬・ラッキーのサムネイルを見たことがある方は多いかもしれません。ラッキーは今年 15 歳を迎え、家族にケーキでお祝いされる様子を動画で見せてくれました。
フィットネス
フィットネスは、新型コロナウイルス感染症の影響で、近年特に大きく成長した学びのジャンルの一つです。2020 年、多くの視聴者が YouTube クリエイターと一緒に自宅で運動しました。
またこのトレンドは、過去に公開されたフィットネス動画を視聴者が活用する動きにも繋がり、のがちゃんねる/ nogachannel さんの腹筋を鍛える動画などがランクインしました。