Brandon Feldman, Director of News and Civics Partnerships, and Geoff Samek, Director of Product Management for Newsより
YouTube は長い間、ニュースの視聴者が世界情勢について知るための場所であり、ニュース業界にとっては、デジタルフォーマットを通じて視聴者にリーチする場所でもあります。YouTube はこれまでも、トップニュースやニュース速報といった、信頼できるニュース提供元からのコンテンツを見つけやすくする一連の製品の開発に注力してきましたが、特に選挙や情勢不安、自然災害の際に、視聴者が信頼できる質の高い情報にアクセスできるように取り組んでいます。
最近では、視聴者はさまざまなフォーマットのデジタルニュースのコンテンツを求めるようになっており、編集部やジャーナリストの皆さんもそのニーズに応えるべくコンテンツが進化しています。このブログでは、YouTube でのニュース視聴をさらに向上させるための 2 つの取り組みをご紹介します。
まず、YouTube でニュースを深掘りできる体験を導入します。ニュース動画再生ページでは、信頼できる複数の提供元からの長尺動画、ライブ配信、ポッドキャスト、ショート動画などのコンテンツがひとつの動画再生ページに集められ、視聴者はあらゆる提供元や視点を深く掘り下げて調べることができます。
特定のニューストピックの動画再生ページを開くには、トップページまたは検索結果で新聞アイコンのある動画をクリックします。この機能は、日本を含む約 40 カ国のモバイルユーザー向けに順次展開され、デスクトップや TV 画面でも今後視聴できるようになる予定です。
さらに、資金と YouTube 担当者によるサポートを通じて、報道機関による YouTube ショート活用を強化する「YouTube Shorts Innovation Program for News」と言う取り組みを開始しました。まずは 10 カ国の 20 以上の組織と協力し、総額 160 万米ドルを提供します。YouTube 上で長尺動画の基盤はありつつ短尺動画のコンテンツ制作を改善、拡大したいと考えていることを基準に参加報道機関を選定しました。今後 1 年間にわたり、YouTube の担当者は、米国の Univision、フランスの AFP 通信、シンガポールの Mediacorp などの報道機関と協力して、YouTube ショートコンテンツ戦略と動画制作に取り組みます。
ショート動画を上手く活用する報道機関が、より広範囲にニュースを届けられていることを実際に目の当たりにしてきました。同プログラムを通して、ショート動画のニュース配信に関心がありながら、そのためのリソースがなかった革新的な報道機関を支援したいと考えています。プログラムに参加する報道機関の皆さんと今後共に協力し、革新的なニュースのエコシステムを支援していくなかで、ショート動画の機会と課題についてフィードバックを得られることを楽しみにしています。
これらの取り組みは、信頼性が高く、タイムリーで、本質的なニュースコンテンツを視聴者に提供することと、新たな動画ニュースフォーマットの実験を行う報道機関をサポートするという YouTube のコミットメントを表すものです。これからも引き続き、YouTube がニュースを発見し、学び、参加するための最高の場所であるように取り組んでまいります。
本日、10 月 10 日は「世界メンタルヘルスデー (World Mental Health Day)」です。世界精神保健連盟(WFMH)が、1992 年より、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として制定しました。その後、世界保健機関(WHO)も協賛し、正式な国際デー(国際記念日)とされています。
YouTube は、クリエイターや視聴者が日々訪れ、学び、共通の体験を通じて繋がりをもつ場所です。だからこそ、YouTubeでは、メンタルヘルスに関しても皆さんのお役に立ちたいと考えています。この度、「ココロに聞いてみよう。」をテーマに、 9 組のさまざまな分野で活躍するクリエイターにご協力いただき、厚生労働省の監修のもと、YouTube ショート動画キャンペーンを展開します。
近年、心の病気は増えており、生涯を通じて 5 人に 1 人がこころの病気にかかるともいわれています。(出典:厚生労働省サイト)
本キャンペーンに参加いただいたのは、アイドルのいる生活、伊吹とよへ、GENKI LABO、コスメティック田中 、StudyIn ネイティブ英会話、ちるふぃるむ 、なーすけFitness、華金カップル、 水溜りボンド の 9 組のクリエイターです。(五十音順)
クリエイターは、心の声に耳を傾けることへの思い、メンタルヘルスに関する自身の経験、そして大切にしている習慣などを YouTube ショートで表現しています。
YouTube では、今回のキャンペーンにあるクリエイターのショート動画を通じて、特に 10 代から 20 代の方たちにとって、自身のメンタルヘルスについて考えるきっかけになればと考えています。
動画を観て、そして立ち止まって、ご自身の心の声に耳を傾けてみませんか。
YouTube クリエイターは、YouTube のミッションである「表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届ける」を体現し、さまざまなジャンルの動画を投稿しています。YouTubeが掲げる責任の中で重要なもののひとつが、利益をクリエイターやアーティストに還元することです。この度、英国の独立系コンサルタント会社である Oxford Economics の調査「YouTube Impact Report 2022」によると、YouTube は、2022 年(1 月~ 12 月)日本において、4,500 億円以上の経済効果をもたらし、9 万人を超えるフルタイム相当の雇用を創出しました。そして、今後もその責任を果たしていくために、YouTubeは、新しい収益化方法を本日 10 月 3 日(火)より、「YouTube パートナー プログラム」(YPP)の特典の一部である、視聴者ファンディングおよび、一部ショッピング機能を、本来の YPP 参加資格よりも低い基準で利用いただけるようにしました。
YouTube がもたらす経済的、文化的、社会的影響
YouTube クリエイターは、YouTube という場を活用し、自分の才能や興味を世界中の視聴者と共有することで収入を得ることができます。東海オンエア、QuizKnock や、Kimono Mom など、副収入としてチャンネルを運営する個人から、YouTube で生計を立てている コンテンツクリエイターまで、何千人もの日本のクリエイターが YouTube で収益を得ています。YouTube で収入を得ているクリエイターの 84% が、YouTube は コンテンツ制作のチャンスと、従来のメディアでは得られなかった収益機会を創出していると回答しており、日本国内で 100 万円以上の収益を上げている YuouTube チャンネル数は前年比で 15% 増加しました(2022 年 12 月時点)。
音楽業界にとっても YouTube は、大きな収入源であるだけでなく、プロモーションツールであり、そして音楽プロデューサーが才能を発掘して今後の有能な人材を確保する、さらには日本国内のアーティストが世界中の新しい視聴者にリーチするためのユニークなリソースとなっています。音楽活動開始わずか 1 年で「NIGHT DANCER」をバイラルヒットさせた imase は、長尺動画、YouTube ショートなど、YouTube の多様なフォーマットを活用して様々なコンテンツを世界中に発信しています。YouTube で収入を得ているクリエイターの 82% が、グローバル プレゼンスを得るには YouTube が欠かせないプラットフォームだと回答しています。
また、YouTube で収入を得ているクリエイターの 74% が、YouTube で得た影響力を活かして、社会に貢献したいと回答しています。たとえば、今年で活動開始 10 周年を迎える東海オンエアは、8 年連続で彼等の活動拠点でもある愛知県岡崎市の観光伝道師を務めています。動画内で登場する場所が「聖地化」し、ファンや観光客が訪れるようになったことで、観光客や移住者の増加など、地位域活性化に貢献しています。
YouTube Impact Report の詳細はこちらをご確認ください。
収益化の方法をさらに拡大
YouTubeは、クリエイターやアーティストへの収益の還元を責任の一つとして掲げています。そして日本では、より多くのクリエイターとアーティストが、収益を上げる機会を更に得られるよう、「YouTube パートナー プログラム」(YPP)の一部特典への早期アクセスの提供を開始しました。YPP の特典の一部でもある、視聴者ファンディング(Super Thanks、Super Chat、Super Sticker、チャンネルメンバーシップ)および、一部ショッピング機能を、従来の YPP 参加資格より低い基準で利用いただけるようになりました。
参加資格は以下の通りです。
クリエイターが YouTube でコミュニティを構築する際、視聴者ファンディング機能は、視聴者と関わりながら収益を増やす方法を提供します。たとえば、チャンネルメンバーシップを通じて、ファンに対して限定コンテンツや特典を提供することができたり、Super Chat ではライブ配信中にファンから日頃の配信に対する感謝のメッセージを受け取ることができます。そのようにして、YouTube 上で、広告収益以外の収益を増やしているクリエイターは、以下のように、年々増加しています。
視聴者ファンディングから得た収益が、全体収益の過半数を占める日本国内のチャンネル数は、前年比で 35 % を超える増加となりました(2022 年 12 月時点)。
YouTube でチャンネル メンバーシップを購入したことのある視聴者数は、日本国内で前年比 30% を超える増加となりました(2022 年 12 月時点)。
日本国内の YouTube チャンネルにおけるチャンネル メンバーシップによる収益は、前年比で 15% を超える増加となりました(2022 年 12 月時点)。
また、YouTubeでは視聴者ファンディングとは別に、「コース」という新しい収益化機能の提供も開始しました。「コース」を活用するクリエイターは、再生リスト化した学習系コンテンツ(知識やスキルなどを教える動画)を無料、または有料で配信することで、より体系だった学びの体験を提供できます。有料の「コース」を購入した視聴者は、広告なしで「コース」の動画を視聴することができます。視聴者がコースの受講のために支払った収益のほとんどは、コンテンツを作成したクリエイターに支払われます。学習系コンテンツを制作しているクリエイターにとっては、「コース」機能も、収益化方法の一つとなります。
※コースの機能はベータ版であり、現時点では一部のクリエイターのみに提供しています。
2007 年の YPP の開始当初、YouTube では、標準的な横長のフォーマットの動画しか投稿できず、クリエイターの主な収益源は広告だけでした。しかし、現在では、クリエイターは 15 秒の縦型のショート動画、15 分の動画、15 時間のライブ配信など、複数のフォーマットを活用して様々な表現に挑み続けています。そして視聴者ファンディングやブランドスポンサーシップなど、多様な収益源に基づいてビジネスを展開することが可能になりました。
YouTube は、クリエイターの活躍があってこそ、より多種多様で豊富なコンテンツが集まる場となります。今後も YouTube は、クリエイターが視聴者と深い関係性を築けるよう支援するとともに、クリエイターのビジネスの成長に役立つ、さまざまなツールや機会を提供していきます。
2007 年 8 月 31 日に産声を上げてから、初音ミクは多くのファンに支持され、初音ミク公式YouTubeチャンネル「39ch(ミクチャンネル)」登録者数は 250 万人を超えています。また、多くのアーティストのクリエイティブの原動力となってきました。この企画は、初音ミクの「16 歳の誕生日」を国内外のファンと一緒に祝福する、ユーザー参加型オンライン企画です。
踊ってみたや歌ってみた、また自由なテーマで投稿するショート動画を大募集!
#MikuChallenge(#ミクチャレ)に参加するには、はじめに、初音ミク公式 YouTube チャンネル「39ch(ミクチャンネル)」で公開されるお手本の YouTube ショートをご覧ください。そして、10 月 2 日(月)以降、ボカロ P ツミキによる課題曲「カルチャ / ツミキ feat. 初音ミク」をサウンドトラックにして、自分だけの初音ミクお祝い YouTube ショートを作りましょう。
歌ってみた部門:一人、または仲間と歌ったり、ミクとデュエットして投稿
踊ってみた部門:一人でも仲間とでも、ミクと一緒でも OK
初音ミクの Dance Perfomance Video も公開予定!
自由部門:イラストや映像作品など、自分なりに自由に創作
YouTube ショートに投稿する際は、「#MikuChallenge」または、「#ミクチャレ」いずれかのハッシュタグをつけてください。期間中、初音ミク公式 YouTube チャンネル「39ch(ミクチャンネル)」では、投稿動画に対して、初音ミクによるリアクション動画が投稿されます。また、参加頂いた方の中から各部門 1 名(または一組)のクリエイターを同チャンネル上で表彰します。さらに、抽選で 5 名様に株式会社ヤマハミュージックジャパンより創作活動に役立つ賞品が贈られます。投稿の募集期間は、2023 年 10 月 2 日(月)19:00 から 2023 年 11 月 15日(水)18:59 までです。投稿に関する詳細、参加規約などは、こちらからご確認の上ご参加ください。
今後、たくさんのサプライズが待っているので、初音ミク公式 YouTube チャンネル「39ch(ミクチャンネル)」に是非ご注目ください。
更に、YouTube Music アプリでは、ボカロの最新ヒット曲や話題の楽曲を集めたプレイリスト「ボカロHits」(Art by おむたつ)を展開。ボカロカルチャーの「今」をこのプレイリストを通してお楽しみください。
その他、人気クリエイターによる、初音ミクのイラストをカバーに使用したプレイリストも多数公開:往年のヒット曲を集めた「ボカロ Big Hits」(Art by Rella)、カラオケの人気曲を集めた「ボカロ カラオケ」(Art by おぐち)、勉強や作業に集中できる「作業用BGM:ボカロ」(Art by otomika)など、多数のボカロプレイリストを YouTube Music で展開中です。
初音ミク Happy 16th Birthday サイト(https://piapro.net/miku16thbd/)
初音ミク Happy 16th Birthday 連動企画 #MikuChallenge Supported by YouTube Shorts 特設サイト (https://piapro.net/miku16thbd/mikuchallenge/)
YouTube は常に、バックグラウンドも経験値も異なるクリエイターたちが既存の枠を超えたクリエイティブな表現を実現する場所であり続けてきました。新しい機能やテクノロジー、最新トレンドが登場するたびにそれらを取り入れて、予想外のコンテンツを作り出すクリエイターの手腕に、私たちはいつも驚かされます。本日、米国時間 2023 年 9 月 21 日、Made On YouTube でご紹介する一連のプロダクトと機能は、難しいことをシンプルに、不可能なことを実現可能にして、クリエイティブな表現をさらに押し広げるのに役立てられると幸いです。
クリエイティブな表現を叶える YouTube ショートの新ツール
2020 年(日本は 2021 年)に登場して以来、YouTube ショートは即興のアイデアやインスピレーションを共有できる場となっています。その独創性が人気となり、今や、毎月 20 億人を超えるログイン ユーザーによる YouTube ショート視聴回数は、1 日あたり 700 億回以上にのぼっています。このたび発表する新しいツールを使えば、誰でも今まで以上に簡単に、あらゆるアイデアをショート動画で実現できるようになります。
年内に試験運用を開始予定の「Dream Screen」は、アイデアを入力するだけで、AI が生成した動画や画像の背景をショート動画に追加できる新機能です。宇宙空間で撮影したり、魔法の森の中を歩いたり、ペットのパグの運転で学校まで送ってもらったり。Dream Screen を利用すると、クリエイターが想像する夢のような状況を、ショート動画で新たに作り出せるようになります。Dream Screen は、まず一部のクリエイターを対象に導入し、来年さらに提供範囲を拡大します。(英語のみで日本での導入時期は未定)
将来的には、誰でもアイデアを入力するだけで自分の動画を簡単にアレンジできる(たとえばコンテンツを編集したり、既存の YouTube 動画をリミックスしてまったく新しい動画に作り替えたりできる)機能に拡張する予定です。
動画制作の労力を軽減して、クリエイティブな作業に集中
動画の制作プロセスは複雑で、動画制作が慣れていない人は投稿を諦めてしまうこともあります。そこで、誰でも手軽に動画を作成してすぐに YouTube で公開できるようにするために、YouTube Create という新しいモバイルアプリをリリースします。現在、Android 向けベータ版として一部の地域(日本は対象外)で提供されている YouTube Create は、ショート動画や長尺動画の制作プロセスを簡素化し、クリエイターが創造性を発揮したいと思うことにエネルギーを集中させられるよう設計された、無料のアプリです。
正確な編集とカットなどができる動画編集ツール、自動字幕起こしやナレーション機能が用意されているほか、各種フィルタ、エフェクト、切り替え効果や、ビートマッチング対応のロイヤリティフリーの音楽も利用できます。複雑な編集ソフトウェアを使わずに新たな YouTube 動画を制作できる環境を、すべてモバイル デバイスからご利用いただけます。
この初期バージョンの YouTube Create を開発するにあたっては、クリエイターの皆様から実に多くの知見やフィードバックをお寄せいただきました。今後もクリエイター コミュニティからの協力をいただきながら、新しい機能を追加してまいります。
AI でインスピレーションを得て、新しい視聴者へ
動画制作には、制作の枠を超えた様々な要素があります。AI の技術を活用したより効率的なツールにより、クリエイターが新しいアイデアを思いつき、新しい視聴者にリーチすることを手助けすることができます。
AI を活用したインサイト:YouTube Studio は生成 AI を活用して、動画のアイデアを生み出し、アウトラインを作成することで、クリエイターのアイデア出しをサポートする機能を来年導入します。これらのインサイトは、各チャンネルごとにパーソナライズされ、視聴者がクリエイターのチャンネルおよび、YouTube で視聴しているコンテンツに基づいて提供されます。YouTube Studio では、クリエイター向けの AI 搭載ツールの初期バージョンを試験運用しており、調査対象者の 70% 以上が、動画のアイデア開発に役立っていると回答しています。
Aloud で自動吹き替え:クリエイターが視聴者を拡大する方法のひとつに、コンテンツを母国語以外の言語に吹き替えることがあります。しかし、すべてのクリエイターがコンテンツを吹き替えるリソースを持っているわけではありません。そこで私たちは、クリエイターがコンテンツを世界に公開できるように AI 搭載の吹き替えツール、「Aloud」を YouTube に導入します。(日本の導入時期は未定)
AI を活用するツールは人々の夢を現実に変える可能性を秘めており、YouTube での動画制作の未来は明るく開けています。次回の Made on YouTube ではどのような発表ができるのか、今から楽しみでなりません。
YouTube は「表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届ける」というミッションを掲げ、開かれた場であること( Openess )と コミュニティを守る責任( Responsibility )のバランスを保つことに注力しています。YouTube は、全てのクリエイターが安心して自分の声・メッセージを発信することができ、さらにそれを見た人が感想や意見を届けたりすることで、コミュニティを共に作り上げていくことができる場です。一方で、行き過ぎた発信や表現は、脅迫や、身体的特徴に基づいて侮辱したりするなど、憎悪や嫌がらせに発展する可能性があります。
人材、システム、プロダクトへの投資
YouTubeは、YouTube のコミュニティを安全に保つことを目的にコミュニティガイドラインを設けています。このガイドラインでは、YouTube で許可されること、禁止されることが定められており、動画、コメント、リンク、サムネイルなど、 YouTube 上のあらゆる種類のコンテンツに適用されます。YouTube では、ネット上での嫌がらせやいじめ、およびヘイトスピーチについては、ハラスメントやネットいじめに関するポリシーと、ヘイトスピーチに関するポリシーの下、厳しく取り締まっており、該当するコンテンツの迅速な削除に努めてきました。これらのポリシーは、クリエイターや、ハラスメントやネットいじめ対策の専門機関などとの意見交換を経て作成されています。違反コンテンツの検出については、問題となる可能性のあるコンテンツを AI が特定し、その後、人間のコンテンツ審査担当者が YouTube のポリシーに違反しているかどうかを確認しています。ポリシーに違反しているコンテンツは削除し、そのデータは、システムによる今後の自動検出率を高めるための AI のトレーニングに使用しています。YouTube では、自動システムによる検出の精度の向上により、ポリシーに違反するコンテンツが多く再生されない、または一切視聴されることのないよう努めています。2023 年第 1 四半期、YouTube全体で、一回も再生されずに削除されたのは 40.4% で、1−10 回の再生だったのは 31.9% でした。
この他にも YouTube では、不適切と思われるコンテンツを YouTube のユーザーにも報告していただけます。さらに、分野によってはより詳しい専門知識を持つ政府機関と非政府組織(NGO)に、「YouTube 優先報告者」として、YouTube のコミュニティガイドラインに違反するコンテンツを高い精度で YouTube にご報告いただいています。たとえば、日本の法務省人権擁護局は、ヘイトスピーチに関するポリシーや、ハラスメントやネットいじめに関するポリシーの領域で、「YouTube 優先報告者プログラム」に 2021 年から参加しています。
YouTubeでは上記の取り組みを実行するために必要な人材やシステムへの長期的な投資を行い、違反コンテンツを適宜削除しています。そして、その結果を毎四半期、YouTube 透明性レポートにまとめて公開しています。2023 年第 1 四半期、グローバルで、嫌がらせやネットいじめ、悪意のある表現、嫌がらせ行為を理由に削除された件数は、チャンネルが 8 万 7,000 件以上、動画が 67 万件以上、コメントが 7,900 万件以上でした。
また、YouTube は、YouTube で視聴されるすべての動画について、配慮をもったエンゲージメントを実現したいと考えています。その一環として、クリエイターと視聴者の双方にとって有益なコメント機能を提供できるよう、改善に取り組んできました。たとえば、クリエイターがチャンネルガイドラインを設定し、自分のチャンネルでの会話のトーンをより良く形成できるようにしたり、コメントに表示したくない単語やフレーズを、ブロックする単語リストに追加できます。
インターネット上の情報に対するリテラシーを高める
ネット上でのいじめや嫌がらせについて、これまでも YouTube では厳しく取り締まってきましたが、様々なアプローチでこの問題に向き合う必要があることは明確です。2023 年 6 月 28 日には、インターネット空間の安全を守ることは業界全体の責任であるとの認識から、クリエイターエコノミー協会が設立した誹謗中傷対策検討会に Google として参画し、業界横断でこの課題に取り組んでいます。
そして、YouTubeでは 2023 年 9 月より、ネット上での嫌がらせやいじめ防止を目的とした、「ちょっとまって:投稿前に、想像しよう」というテーマのキャンペーンを開始しました。若者層に人気の 8 組の多様なクリエイターに参画いただき、また総務省・国際大学GLOCOM・クリエイターエコノミー協会からの協力も受けながら、ネット上での嫌がらせやいじめの投稿・拡散を防ぐために「どういう発言・コメントがネット上での嫌がらせやいじめになりうるか」「そのような投稿や拡散を防ぐために一人一人ができることを考えるとは何か」について発信しています。各クリエイターの YouTube チャンネルで配信されているこれらの動画は、各クリエイターチャンネルでの配信開始から現在まで(9 月 19 日時点)に 356 万回以上視聴され、4,800 以上のコメントが寄せられています。そして本日より、これらの動画がより多くの方に届くよう、8 本のショート動画をまとめたものを広く展開していきます。
以下のクリエイターのチャンネルに動画が投稿されます。(五十音順)
遠坂めぐ【Shorts】オムライス兄さん Omurice Boy葛西美空のYouTubeチャンネル【現役体操選手】シダックス shidaks鈴木大二郎のだいチャンネルにじさんじ(出演:加賀美ハヤト、リゼ・ヘルエスタ)HikakinTVhololive ホロライブ - VTuber Group(出演:友人 A)
YouTubeは、クリエイター、ファンや視聴者が集まって、それぞれが好きなことや、興味があることを発信し合い、時には専門家の助言も借りながら、YouTube を含めた全員が一緒に作り上げていくコミュニティによる、コミュニティのための場です。ネット上での嫌がらせやいじめという主観的で複雑な問題を YouTube だけで解決することはできません。今後も、YouTube は人材、システム、プロダクトなどへの投資を続けていき、クリエイターと視聴者が、より安全に、楽しく YouTube をご利用いただけるよう取り組んでまいります。
YouTube では設立当初から、コミュニティガイドラインによって YouTube のコミュニティを有害なコンテンツから保護してきました。現在、大多数のクリエイターは誠意を持ってコンテンツを作成しており、YouTube のポリシーに違反することはありません。一方で、意図せずポリシーに違反してしまう場合もあります。YouTube はそのようなクリエイターへのサポートを強化するために、コミュニティガイドラインの違反警告を回避するのに役立つ、新しいツールの導入に継続的に取り組んできました。そしてこのたび、YouTube のコミュニティを保護するポリシーとシステムは維持しつつ、新たな一策を講じることになりました。YouTube は、この取り組みが、YouTube を主な活動場所として利用している多くのクリエイターの支援に繋がると考えています。
YouTube では、ポリシーについて学ぶ機会を作ることによって、意図せず YouTube のポリシーに違反するクリエイターの数を減らすことができると考えています。2019 年には、初回の違反行為に対して発行する 1 回限りの事前警告を導入し、クリエイターはさらなるペナルティ(違反警告)を受ける前に、何が問題だったのかを確認する機会を得られるようになりました。現在、事前警告を受けたクリエイターの 80% 以上が、ポリシー違反による更なる警告を受けることはありません。
しかし、YouTube では、プラットフォーム内外の変化に対応するためにコミュニティガイドラインを継続的に見直し、必要に応じて更新しているため、クリエイターからは、ポリシーの線引きについての理解を深めるために、より多くの情報が欲しいという声が寄せられています。また、意図した違反であるかどうかに関わらず、警告を受けると、機能制限により投稿スケジュールに支障をきたす可能性があるだけでなく、YouTube パートナー プログラムを通じてビジネスを構築しているクリエイターにとっては、収益にも影響が出る可能性があります。
米国時間 2023 年 8 月 29 日より、コミュニティガイドラインの事前警告を受けたクリエイターは、ポリシーに関するトレーニングコースを受講できるようになりました。このトレーニングコースによりクリエイターは、ポリシーに違反するコンテンツのアップロードを避けるための方法を学ぶことができます。コースを修了すると、90 日間同じポリシーに違反しない限り、事前警告は失効します。
YouTube は、この改定が、コミュニティガイドラインに準拠したコンテンツの制作に努める大多数のクリエイターを支援し、YouTube がすべての人にとって安全で責任あるプラットフォームであり続けるために役立つものだと考えています。
本改定の詳細
各トレーニングコースは、どのようなコンテンツが YouTube のポリシーに違反するのかをより明確に理解できるように作られています。たとえば、あるクリエイターが性の健全性について教育することを目的に動画を投稿したとします。しかし、YouTube のヌードと性的なコンテンツに関するポリシーにおいて、この動画が十分なコンテキスト(追加情報や視聴者への説明)を追加していなかった場合、コミュニティガイドラインに違反していると判断されることがあります。
これまでは、その違反が初めてのものだった場合、対象となる動画を削除したうえで、そのチャンネルに対して失効することのない事前警告を発行していました。今後も、違反コンテンツを YouTube から削除することに変わりはありませんが、トレーニングコースを受講したクリエイターは、ヌードと性的なコンテンツのポリシーに関する一連の論点について確認し、ポリシーで許容される範囲について理解を深めることができます。
コース修了後の流れは以下のとおりです。
90 日間同じポリシーに違反しなかった場合、チャンネルの事前警告は失効します。
90 日が経過する前に同じポリシーに違反した場合、違反動画が削除され、チャンネルに 1 回目の違反警告が発行されます。
90 日を過ぎた後に同じポリシーに違反した場合、違反動画が削除され、事前警告が再度発行されます。クリエイターには、新たにトレーニングコースを受講する選択肢が与えられます。
なお、これまでは、違反したポリシーに拘わらず、事前警告は 1 回限りチャンネルに発行されるものでしたが、今後は、違反した特定のポリシーごとに、個別の事前警告が発行されます。これにより、コンテンツがポリシー違反となった理由を学ぶ機会が増えると共に、クリエイターはポリシーに関する複数のトレーニングコースを同時に受講できるようになります。
変わらないコミュニティガイドラインの基準
今回、YouTube では、誠実なクリエイターがポリシーをより深く理解できるようにする方法を導入しますが、コミュニティガイドラインの基準を変更したり、3 回の違反警告(three strikes)のルールを緩和したりするわけではありません。YouTube は引き続き、ポリシーに違反するコンテンツを削除します。また、90 日以内に 3 回目の違反警告を受けたクリエイターは、YouTube を永久に利用できなくなります。
これに加えて、違反警告の発行やチャンネルの停止に関する YouTube のポリシーは引き続き有効です。度重なるポシリー違反があった場合、または悪質な不正行為が一度でも確認された場合は、アカウントが停止される可能性があります(これは、トレーニングコースの受講歴のあるクリエイターにも適用されます)。また、将来的には、違反を繰り返すユーザーに対して、トレーニングコースを受講できなくする可能性もあります。
クリエイターが YouTube のプラットフォームで違反警告のない状態を維持すること、YouTube のコミュニティ全体で健全な利用体験を維持し続けることを目指し、YouTube は今後も、クリエイターにポリシーをわかりやすくお伝えできるようよう努めてまいります。